2023年(令和5年) 5月23日(火)付紙面より
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酒田まつり本祭りの20日午後、メイン会場となった酒田市中心市街地で、酒田の通史を紹介する「時代行列」が行われ、「荘内藩甲冑(かっちゅう)研究会」によるステージパフォーマンス、「酒田花魁(おいらん)道中」の練り歩きなど、華やかな行列が祭りを大いに盛り上げた。
時代行列は昨年、酒井家庄内入部400年や河村瑞賢による西廻り航路開設350年を祝い初めて企画された。今年はコロナ禍の影響で中止していた名物の花魁道中のほか、地元民たちが扮(ふん)した弁慶、義経、「酒田の開祖」といわれる徳尼(とくに)公や三十六人衆、松尾芭蕉たちと酒田に縁のある歴史上の人物が次々と登場し、パフォーマンスを繰り広げた。伝統芸能の出羽人形芝居や甲冑研究会による殺陣が披露されると、観客からは大きな拍手が湧き上がった。
行列のメインは花魁道中。かつて北前船の繁栄で花柳(かりゅう)界が栄えた酒田の歴史も踏まえ、市内の美容師らによる実行委員会が1994年、祭りを盛り上げようと本祭り山車行列に合わせて初めて実施。4年ぶりとなった今年は花魁や禿(かむろ)、芸者など計10人が出演した。
「酒田きやり保存会」による朗々とした「きやり唄」が披露された後、長唄「元禄花見踊」に合わせ花魁役の安在瑠花さん(23)=鶴岡市布目、動物看護士=が扮した「紅(くれない)太夫」が登場。旧マリーン5清水屋前の約50メートルを練り歩き、往時を思わせる豪華絢爛(けんらん)な行列に多くの観客が見入り、盛大な拍手を贈っていた。
2023年(令和5年) 5月23日(火)付紙面より
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「若者からイノベーションを起こそう!―元マッキンゼーと学ぶ、地域の課題解決に向けた実践的ワークショップ」が17日、酒田市本町一丁目の「Ribbon STATION(リボンステーション)」で行われ、参加者が酒田の地域課題について理解を深めた。
「庄内にオープンイノベーションを広める若者の会」が主催。同会は鶴岡市のバイオベンチャー「スパイバー」(関山和秀代表執行役)に勤める3人が庄内地域の活性化につなげようと、セミナーやワークショップなどを開いている。今回のワークショップのテーマは「若者たちが『酒田にこそチャンスがある』といった夢や希望を抱いてもらうには?」。同会メンバーの佐藤真之介さん(32)らが元マッキンゼー社員でスパイバー執行役員の枡野恵也さん(40)への依頼で企画した。
マッキンゼー・アンド・カンパニー(東京都港区)は1626年に米国のシカゴ大学経営学部教授のジェームズ・O・マッキンゼー氏によって設立された外資系コンサルティング会社。本社は米国にあり、日本でも自動車、エネルギー、ローカルエンターテインメントなど、幅広い職種、機能のオペレーション改善サポートを事業としている。
この日は地域活性化などに関心のある、高校生を含む10―60代の18人が参加。初めに枡野さんがオープンイノベーションについて解説し、「企業と行政、企業と企業などの連携によって起こる技術革新のこと」と話し、市産業振興まちづくりセンター「サンロク」(センター長・安川智之副市長)の活動などを例に挙げて「酒田はすでに多くの革新が生まれていると感じている」と続けた。
その後、参加者は4―5人のグループに分かれ、互いに酒田の地域課題についての考えを付箋に書き出した上で、「発信力の弱さを改善できないか」「空き店舗をうまく活用したい」「起業や新しい取り組みが失敗しても寛容な社会でありたい」など、若者が地元に魅力を感じてもらうには何が必要か、多くの意見が飛び交った。