2023年(令和5年) 5月30日(火)付紙面より
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庄内エリアにおける地域課題解決に資する事業の構築、人材の育成などを目的にした「庄内事業構想プロジェクト研究」の開始式が27日、酒田市産業振興まちづくりセンター・サンロク(センター長・安川智之副市長)で開かれた。市と事業構想大学院大学(東京都、田中里沙学長)、住友商事(同、兵頭誠之社長)が共同で企画したもので、県内外の研究員10人は来年3月までゼミ形式の研究会で学びを深め、新規事業の構想計画を策定する。
事業構想大学院大は2012年に開学した事業構想と構想計画を構築・実践する社会人向け大学院。2カ年の学びによる事業構想計画書の提出を経て専門職学位「事業構想修士」が授与される。昨年に仙台校が新設された。
庄内エリアの地域課題解決に向けた新事業を構想するとともに、素養を磨き価値創造を担う人材の育成に向けて今回、3者がプロジェクト研究を企画。事業構想大学院大事業構想研究所の河村昌美教授の指導の下、県内外から応募のあった男女10人が新たな事業・サービスの開発に取り組む。
この日の開始式には研究員はじめ関係者約20人が出席。安川副市長が「研究会を通し、一歩でも二歩でも実現に向けて進んで。皆さんは自ら動こうとしている人たち。皆さんの動きやモチベーションを後に続く人に見せてほしい」とあいさつ。一人一人に研究員任命書を手渡した河村教授は「一緒に考え、一緒に悩もう」と述べた。その後、初回の研究会が開かれた。
事業構想大学院大の修士課程カリキュラムを生かし、来年3月まで計20回にわたって定例研究会を開催。多彩なゲスト講師を招き、研究員は視野を広め視点を磨きながら各自の新事業構想を構築していく。
2023年(令和5年) 5月30日(火)付紙面より
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酒田市上黒川の日向コミュニティセンター内にあるコミュニティカフェ「日向里(にっこり)かふぇ」で27日昼、酒田南高校食育調理コースの生徒有志が同市八幡地域で採れた山菜などを使用し考案した「酒南塩ラーメン」を提供、「おいしい」という声が店内にあふれた。6月にも同様のラーメンを提供する。
「日向里かふぇ」は2019年7月にオープン。地域住民と市、市とパートナーシップ協定を結ぶ「良品計画」(東京)の3者が連携し整備・運営、地域の交流・活性化拠点として、飲食を中心とした物品販売や、イベントを展開している。
「『日向里かふぇ』でできること」をテーマに一昨年、2回にわたって同校生徒を対象にしたワークショップを開催。出されたアイデアを基に、「酒南日向里新メニュー開発プロジェクト」と銘打ち、同コースで学ぶ生徒有志が地元食材を使ったラーメンの開発に取り組むことになった。同市などで人気ラーメン店を手掛けている「もっけだのフードサービス」社長で同校OBの齋藤晴紀さんが全面的に監修した「酒南塩ラーメン」を昨年12月に初めて提供し、地区民や行楽客から好評を得た。
生徒たちが今回、考案した「春バージョン」は、八幡産「はえぬき」の米粉をブレンドした特製米粉麺を用い、スープは鳥海山の伏流水を含む海水を煮詰め製造した「さかたの塩」、庄内産「鯛干し」を使用。具材は孟宗竹から作ったメンマ、キクラゲなど可能な限り八幡産にこだわった。ワラビやミズなど旬を迎えた山菜で自ら作った「山形のだし」をトッピングしているのが特徴。
この日は、食育調理コースの2、3年生10人が参加し朝から下ごしらえ。午前11時から販売を開始し、1杯700円のラーメンが飛ぶように売れた。味わった人たちは「うまい」と太鼓判。生徒の一人、玉川拓弥さん(17)=3年=は「山菜をかなり使っているので、味付けに苦労した。見た目にもこだわっている。出した時、『おいしそう』と言ってもらい、うれしい」と話した。
同校によると、次回は6月10日(土)午前11時から販売する。7月には塩ラーメンというコンセプトは変えずに、八幡地域で採れる旬の食材を用いた「夏バージョン」の販売を行うという。