2023年(令和5年) 6月25日(日)付紙面より
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少子化に伴い酒田市の第四中学校区(川南地区)にある小・中学校の統合について検討する「酒田市小・中学校学区改編審議会」(加藤博之会長)の初会合が23日、同市庁舎で開かれた。
同市の第四中学区は市立酒田第四中学校を中核に新堀、広野、浜中、黒森、十坂、宮野浦の6小学校を含む区域。
少子化のため、市では川南地区の義務教育対象者人口が本年度の1089人から6年後の2029年度には812人に減少することや来年度4小学校で複式学級が編成されることなどから、昨年12月以降、地区住民に対し「学校統合に関する説明・意見交換会」を実施。早期の学校統合を望む声が多数あったとして、小中学校の区別なく義務教育を一施設で一貫して取り組む「義務教育学校」の新設などを視野に入れた「酒田市立第四中学校区における義務教育環境に関する基本方針案」を先月策定した。
同審議会はPTA代表者や有識者ら12人で構成。この日は委員7人や市教委ら関係者計約20人が出席。鈴木和仁教育長が「他の市町と同じように本市でも子どもが減っている。分かっていたことだが、対応を進めているところ。さまざまな角度で意見を頂きたい」とあいさつ。委員で互選を行い、元酒田四中学校長などを務めた加藤会長を選出。鈴木教育長が加藤会長に諮問書を手渡した。
第四中学区の現状や推計、義務教育学校のメリット・デメリットなどの資料が市教委から説明された後、委員からは「新設する義務教育学校の場所などをどう考えているか」「学校の伝統文化は守られるか」「地区住民には不安もあるが、それ以上に危機意識が高い。早く進めてほしい」「今後他地区のモデルケースになる」などの意見が出されていた。今回出された意見を踏まえ、来月20日に開催予定の次回審議会で引き続き議論する。
2023年(令和5年) 6月25日(日)付紙面より
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稲を害虫から守る願いを込めた農業祭事・虫送りが23日、酒田市広野地区で行われた。竹やヨシで作った舟神輿(みこし)、稲をかたどった花梵天(はなぼんてん)が地区内を練り歩き、五穀豊穣(ほうじょう)などを祈願した。
害虫から稲を守るために古くから庄内地方で行われていた虫送りは、農薬の普及、農業の近代化に伴って廃れたとされる。広野でも1950年ごろに途絶えたが、83年に地元有志が「広野虫送り保存会」(佐藤修会長)を結成し復活させた。その後、田植えや一番除草が終わる毎年この時期に行っている。
コロナ禍の影響で4年ぶりの開催となったこの日は午前中、保存会メンバーと地元・広野小学校の6年生10人らが広野コミュニティセンターで竹やヨシを組み上げ長さ約2メートルの舟神輿、季節の花々を飾った高さ約5メートルの花梵天を仕上げた。午後からは地区内の皇大神社で神事の後、鐘と太鼓を先頭に地区内を練り歩いた。「花梵天を家に飾ると願いごとがかなう」という言い伝えもあり、沿道に集まった地区民たちには竹に差した花が配られた。
花梵天制作を担当した佐藤柑菜さん(11)は「地域の人たちと協力していい花梵天ができたと思う。舟は重かったが広野の伝統行事に参加できて良かった」と話した。