2023年(令和5年) 6月29日(木)付紙面より
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酒田市の十坂小学校(五十嵐敏剛校長)の6年生が27日、総合学習「酒田の魅力を知る」の一環で同市の「舞娘(まいこ)茶屋 相馬樓」(楼主・新田嘉一平田牧場グループ会長)を訪問、酒田舞娘による演舞を鑑賞したほか、施設内を見学して回り、北前船の往来で栄えた往時に思いをはせた。
連綿と受け継がれてきた酒田の文化について児童から理解を深めてもらおうと、同校が酒田DMO(荒井朋之理事長)、相馬樓の協力で初めて企画。今月21日には芸妓の小鈴姐さんと舞娘2人が同校を訪問、講話を通して児童たちは江戸―明治期に遠隔地貿易の主役だった北前船による京文化の酒田伝来などについて学んだ。
27日に相馬樓を訪れたのは6年生36人と五十嵐校長ら教職員。施設内を紹介する動画を鑑賞した後、小鈴姐さんが奏でる三味線の音色と唄に合わせ、酒田舞娘の鈴千代さん、鈴涼さんが地元の「庄内おばこ」「酒田甚句」、季節ものとして「潮来出島」の計3番であでやかな舞を披露した。
児童たちは引き続き、小鈴姐さんらの案内で、併設する「竹久夢二美術館」はじめ蔵を取り囲むようにして建つ施設内を見学し、その装飾に驚きの声を上げていた。児童の一人、佐藤來夢君(12)は「相馬樓に入ったのは初めて。和風感がすごいと思った。酒田にこんなに素晴らしい建物があるなんて。このような文化が残っていることを知るなど酒田について詳しくなった」と話した。
児童たちは今後、これまでの学習を踏まえて酒田の魅力についてまとめ、発表する予定。
2023年(令和5年) 6月29日(木)付紙面より
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酒田市の酒田駅前交流拠点施設「ミライニ」内のエンガワラウンジで24日夕、チェンバロ・オルガン奏者の黒木香乃さん(同市)による「光の湊・黒木香乃イブニングコンサート」が開かれ、チェンバロ演奏を通して市民らがクラシックに親しんだ。
市民や観光で訪れた人に楽しんでもらえる場を提供しようと、昨年7月から毎月最終土曜日に開催している「光の湊イブニングコンサート」の一環。今回は酒田キリスト教会でのオルガン礼拝をはじめ、県内外で通奏低音奏者として活躍している黒木さんが「はじめてのチェンバロ」をテーマにクラシックを演奏した。
この日はステージを聴きに多くの人がラウンジに詰め掛けた。見た目はピアノに似ているが、チェンバロは爪で弦をはじく撥弦(はつげん)楽器のため、音の強弱がつかず繊細な音色が特徴。黒木さんはクリスティアン・ペツォルト「メヌエット」や、ヨハン・セバスティアン・バッハの次男・カール・フィリップ・エマヌエル・バッハが少年の頃に作曲したとされる「マーチ」など、曲や楽器の解説を交えながらクラシックを披露。ピアノとはまた違った優しく柔らかなチェンバロの響きに、聴衆はうっとりと聞きほれていた。
演奏終了後、楽器に実際に触れる時間が設けられ、「ハヤシチェンバロ製作所」(仙台市泉区)の林裕希さんがチェンバロについて詳しく解説。クラシック愛好者や子どもたちは興味津々で楽器に近づき、「きらきら星」を弾いて体験するなど、チェンバロに触れて親しんでいた。