2023年(令和5年) 7月18日(火)付紙面より
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前線が東北地方北部に停滞し、温かく湿った空気が流れ込んだ影響で庄内地方は15―16日、大雨に見舞われた。土砂災害の恐れがあるとして酒田市は日向地区の10世帯17人に一時、避難指示を出したが、避難者はいなかった。市は「これまでの大雨で地盤が緩んでいるため、引き続き土砂災害に警戒を」と呼び掛けている。
山形地方気象台は16日朝、酒田、遊佐、真室川の3市町に土砂災害警戒情報を発表。これを受けて酒田市は対策本部を設置し16日午前7時21分、湯ノ台、大台野両集落を対象に避難指示を発令し、避難所として日向コミュニティセンターを開放した。同警戒情報解除後の午後4時2分に避難指示を解除、避難所も閉鎖した。
ライフラインを含め人的・住宅被害はなかったが、北平沢地内の市道小平線で土砂崩れが発生し、通行止めの措置を取った。
一方、遊佐町と秋田県にかほ市を結ぶ山岳観光道路「鳥海ブルーライン(県道鳥海公園吹浦線)」は、雨量の規制値超過に伴い15日午後5時から通行止めとなったが、17日午前7時に解除された。
2023年(令和5年) 7月18日(火)付紙面より
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酒田市上黒川の日向コミュニティセンター内にあるコミュニティカフェ「日向里(にっこり)カフェ」で15日昼、酒田南高校食育調理コースの生徒有志が同市八幡地域で採れた夏野菜など使用し考案した「酒南塩ラーメン」を提供、「おいしい」という声が店内にあふれた。22日(土)にも同様のラーメンを提供する。
「日向里カフェ」は2019年7月にオープン。地域住民と市、市とパートナーシップ協定を結ぶ「良品計画」(東京)の3者が連携し整備・運営、地域の交流・活性化拠点として、飲食を中心とした物品販売や、イベントを展開している。
「『日向里カフェ』でできること」をテーマにおととし、2回にわたって同校生徒を対象にしたワークショップを開催。出されたアイデアを基に、「酒南日向里新メニュー開発プロジェクト」と銘打ち、同コースで学ぶ生徒有志が地元食材を使ったラーメンの開発に取り組むことになった。同市などで人気ラーメン店を手掛けている「もっけだのフードサービス」社長で同校OBの齋藤晴紀さんが全面的に監修した「酒南塩ラーメン」を昨年12月に初めて提供し、地区民や行楽客から好評を得た。今年5―6月には「春バージョン」を発表した。
生徒たちが今回、考案した「夏バージョン」は、八幡産「はえぬき」の米粉をブレンドした特製米粉麺を用い、スープは鳥海山の伏流水を含む海水を煮詰め製造した「さかたの塩」とアサリのだしを使用。具材はズッキーニ、バジル、ミニトマト、キクラゲなど八幡産にこだわり、さらに鶏ささみ、アサリ、レモンもトッピングし、熱々にもかかわらず、涼しげな見栄えに仕上げた。
この日は、先輩から店舗運営を引き継いだばかりの2年生17人が参加した。朝から下ごしらえを行って午前11時から販売を開始。あいにくの雨降りの中、大勢の市民らが途切れることなく訪れ、1杯700円のラーメンが飛ぶように売れた。
味わった人たちは「うまい」と太鼓判。中心となって考案した生徒の新田大夏さん(16)は「コストと見栄え、味のバランスを取りながら考案した。大勢の人から『おいしい』と言ってもらい、うれしい。22日も元気よく運営したい」と話した。
同校によると、22日も午前11時から限定100食を提供する予定。今年11月には「秋バージョン」の営業も計画しているという。