2023年(令和5年) 8月2日(水)付紙面より
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今年8月14―19日にアルゼンチン・ブエノスアイレスで行われる「第6回世界デフ水泳選手権大会」に日本代表として出場する同市出身の齋藤京香選手(22)=CPAエクセレントパートナーズ=が31日、酒田市役所を訪れ、丸山至市長らを表敬訪問。「自分の今できる最高のパフォーマンスが出せるよう頑張りたい」など世界大会への抱負を語った。
両耳が中度難聴の齋藤選手は、旧酒田聾学校(現・酒田特別支援学校聴覚障がい教育部)に入学。小学1年から市内の水泳教室に通い、同校中学部3年の2015年、米国で開かれた世界ろう者水泳選手権400メートル自由形で4位に入り頭角を現した。酒田光陵高校からスポーツの盛んな山梨学院大学に進み、昨年5月のデフリンピック100メートルバタフライ決勝で自己ベストを0・10秒更新する1分06秒98を記録、金メダルを獲得した。この活躍で酒田の名を世界的に高めたとして市が制定する「酒田ふるさと栄誉賞」を22年度に受賞。今年4月からは同市に拠点を移し、泳ぎ慣れた市光ケ丘プールで練習しているほか、小学校での講演や水泳指導などを行っている。
世界大会の選考会となる日本代表選手選考競技会は今年3月に静岡県富士市の富士水泳場で行われ、齋藤選手は200メートルバタフライで世界大会A標準タイムを突破。過去の大会の成績なども評価され、代表入りを決めた。世界大会では50メートル、100メートル、200メートルバタフライ、200メートル個人メドレーの個人4種目、4×100メートルメドレー、同フリーリレー、4×200メートルフリーリレー、4×100メートル混合フリーリレー、同メドレーリレーの団体5種目の計9種目に出場予定。
この日は齋藤選手が市役所を訪れ、丸山市長や鈴木和仁教育長、市体育振興会の中條庸右会長らと懇談。丸山市長が「世界を舞台に活躍し、ぜひまた金メダルを見せてほしい。これからも地域に活力を与えてもらいたい」、鈴木教育長が「子どもたちにとって金メダリストと一緒に泳いだ経験は何物にも代え難いこと」など励まし、丸山市長と中條会長がそれぞれ激励金を手渡した。齋藤選手は「酒田に拠点を移してから落ち着いて練習ができているし、合宿などでもいい調整ができた。このコンディションを保ちながら世界大会に臨みたい」と話していた。