2023年(令和5年) 8月5日(土)付紙面より
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「酒田の開祖」とされる徳尼公とその家臣「三十六人衆」の縁(えにし)をきっかけに、酒田市と文化交流協定を締結する岩手県平泉町をはじめ同県2市1町の小・中学生22人が4日、酒田を訪問。徳尼公の木製座像が安置されている泉流寺(中央西町、高橋卓真住職)、国指定史跡「山居倉庫」(山居町一丁目)など巡って見聞を広げた。
文化面を中心とした交流を推進することで、交流人口の増加を図り、文化振興と地域経済の発展に寄与することを目的に酒田市と平泉町は今年6月、「奥州藤原氏が紡いだ酒田市・平泉町の絆を未来につなぐ文化交流協定」を締結した。
締結後初の交流事業となった子どもたちの酒田訪問は、幅広い知識を得てもらうとともに、相互交流を深めることで社会性を身に付けてもらおうと、岩手県平泉、一関、奥州の2市1町教育委員会が実行委員会(委員長・吉野新平平泉町教育長)を組織し、22年前から全国で実施している「ときめき世界遺産塾」の一環。
本年度は吉野教育長を団長に3市町の小学4―中学2年生22人が参加。4日まで1泊2日の日程で行われ、初日は山形市の立石寺を散策した後、酒田入りした。
この日は最初、三十六人衆の子孫で組織する「酒田三十六人衆」の須藤秀明代表と高橋住職の案内で泉流寺を見学。須藤代表は酒田と平泉のつながりなど紹介した上で、「徳尼公は『酒田の開祖』として今でも酒田で愛され、親しまれている存在」と語り掛けた。徳尼公の座像が安置されている御廟を特別公開、子どもたちはメモを取りながら熱心に高橋住職の話に聴き入っていた。
参加者の一人、平泉町立長島小6年の今野莉桜さん(12)は「酒田は初めての訪問。酒田と平泉は離れているのにつながりがあってすごいと思った」と話した。一行は、修復工事中の旧鐙屋、山居倉庫、城輪柵跡を見学し、同日夕に帰郷。