2023年(令和5年) 8月20日(日)付紙面より
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酒田市出身の日本画家、故・佐藤公紀さん(1920―97年)が手掛けた美人画を用いた絵灯篭(とうろう)5基が同市の松山城址館で展示され、優美に浮かび上がった美人画が訪れた人の目を楽しませている。
佐藤さんは1940年に日本画壇の巨匠・伊東深水に師事。酒田はもとより全国各地で個展を開催し、美人画の神髄を広く紹介した。91年に当時旧松山町が制定していた阿部次郎文化賞を受賞。絵灯篭、うちわ絵といった美人画で多くの人を魅了した。
絵灯篭は縦1・8メートル、横1・2メートルで、佐藤さんの美人画を転写している。色鮮やかな着物を着て涼しげな表情で並ぶ美人画に、夕涼みなどで訪れた人々はしきりにシャッターを切っていた。夜間点灯は午後7時―9時。展示は20日(日)まで。
2023年(令和5年) 8月20日(日)付紙面より
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酒田市特産の「刈屋梨」の出荷目揃(めぞろ)え会が18日、同市のJA庄内みどり北部選果場で開かれ、生産者たちが主力品種「幸水」の出荷規格を確認した。20日から収穫、共同選果がスタートし、間もなく秋を代表する味覚が消費者に届く。
同市刈屋地区では明治時代初期にナシ栽培が始まり、土壌が適していたことや、地元農家の努力で「刈屋梨」のブランド名が定着。13―14度と高い糖度が特徴で、一般消費だけでなく贈答用としても多くの引き合いがある。現在は同市北部を流れる荒瀬川左岸地域の果樹園約32ヘクタールで主力の「幸水」を中心に、甘味と酸味のバランスが良い「豊水」など和ナシとともに、洋ナシも栽培して出荷している。
この日は同JA刈屋梨出荷組合(佐藤尚人組合長、39人)の生産者やJAの関係者ら計約60人が出席。JA担当者が秀品(赤秀)、優品(青秀)、無印、規格外の等級や出荷上の注意事項などを解説し、生産者はテーブルに並んだ各等級のサンプルを手に取って確認していた。佐藤組合長によると、今季は5キロ換算で幸水2万1000ケース、豊水6000ケースの出荷を見込む。小ぶりだが品質は良く、平年並みの個数を確保できる予定という。
佐藤組合長は「温暖化の影響からか、今季は収穫時期がこれまでで最も早い。天気に気を付けながら、おいしい状態で皆さんに提供していきたい」と話した。
収穫作業は幸水が来月中旬まで、豊水が10月中旬まで。12月の洋ナシ「シルバーベル」まで続くという。