2023年(令和5年) 8月22日(火)付紙面より
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任期満了(9月5日)に伴う酒田市長選が20日告示され、午後5時で立候補の受け付けを締め切った結果、無所属の新人で前副市長の矢口明子氏(56)=中町三丁目=以外に届け出はなく、同市長選として記録が残る1955(昭和30)年以降、初めての無投票当選が決まった。県内の市町村では初の女性首長となる矢口氏は「皆さんと意見交換しながら街づくりを進めていけることを楽しみにしている」と決意を述べた。
20日午前8時半から市役所で行われた市長選の立候補受け付けには、矢口氏の関係者が訪れて届け出。市選管からタスキや腕章といった「七つ道具」を受け取った関係者は足早に支持者約300人(主催者発表)が待つ、出陣式・第一声の会場となった同市中心部の中町モールへ向かった。
佐藤顕後援会長(酒田地区医師会十全堂会長)のあいさつ、加藤鮎子衆院議員、芳賀道也参院議員、丸山至市長、森田廣県議会議長らの激励を受けてマイクを持った矢口氏は「酒田は今さまざまな課題に直面している。根本にあるのは急激な人口減少。これに少しでも歯止めをかけ、人が多少少なくなっても豊かに暮らせる街をつくることが私に与えられた使命。デジタル関係の企業立地を図り、再生可能エネルギーの電力をもっと市民に還元できるよう道筋をつくりたい。私一人、行政の力だけではできない。参集いただいた皆さんの力を結集し、酒田を安心して暮らせる街にしたい」と第一声。女性支持者の音頭で勝どきを上げた後、街宣車に乗り込み市内を一巡した。
同日午後4時45分ごろに街宣を終えた矢口氏が東大町一丁目の選挙事務所に到着。加藤衆院議員や丸山市長、新田嘉一平田牧場グループ会長らの祝福を受けた矢口氏は「これからが本番。財政が厳しい中、安全・安心に、そして豊かに市民が暮らせるためにはどうしたらよいか、皆さんと意見交換しながら街づくりを進めていきたい」と述べた。
矢口 明子 56 無・新
▽略歴=慶應義塾大経済学部卒、ニュージーランド・ヴィクトリア大行政大学院修士課程修了。2001年4月に東北公益文科大講師に就任。助教授・准教授を経て13年から教授。16年2月から昨年暮れまで酒田市副市長を歴任。当1。
元・新4人の選挙戦 酒田市議補選
一方、今春の県議選出馬のため2人が辞職したことに伴う市議補選も同日告示され、予定していた、いずれも無所属で元職の佐藤伸二氏(66)=中牧田、阿部秀徳氏(61)=若宮町一丁目、田中斉氏(66)=宮野浦二丁目=の3人と、新人で日本維新の会公認の小川隆一氏(47)=字新町=が届け出、4人による選挙戦が確定した。27日(日)に投開票が行われる。
期日前投票の受け付けは、市役所と八幡タウンセンター、松山農村環境改善センター、平田総合支所が26日(土)まで午前8時半―午後8時、東北公益文科大は23(水)、24(木)の両日午前10―午後7時、とびしま総合センターが24日午前7時―正午。
19日現在の有権者数は8万4259人(男4万251人、女4万4008人)。