2023年(令和5年) 9月10日(日)付紙面より
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県や港湾事業者などでつくる県地方港湾審議会の会合が8日、山形市内で開かれ、酒田港港湾計画の変更案が承認された。遊佐町沖の「基地港湾」(洋上風力発電施設の建設拠点)指定に向け、大型貨物船を受け入れる岸壁整備や発電設備を組み立てるためのふ頭用地の確保などを新たに盛り込んだ。
経済産業省と国土交通省は今月1日、遊佐沖について「促進区域」指定案を公告。今後、事業者公募など具体的な手続きに移る予定で、本県初の促進区域指定となる。県によると、遊佐沖に計30基導入される風車は15メガワット級で高さ約250メートルと国内最大級。酒田市内に設置されている風車の約2倍となる。
審議会には港湾関係者や関係首長など委員が出席。港湾計画の変更は酒田港外港地区が対象となる。発電設備部材を運搬する大型貨物船に対応し、航路・泊地や岸壁(延長230メートル、水深12メートル)、防波堤を新たに整備する。
また、工業用地に使用するため現在埋め立てを進めている箇所をふ頭用地(41ヘクタール)に変更。発電設備の部材管理・組み立てに使用する。このうち8ヘクタールは発電事業者に対し最大30年間の長期貸付の対象となる「再エネ拠点区域」として設定する。
県は今後、港湾計画書の一部変更を国へ提出するとともに、基地港湾の指定に向けて国への要望を進める方針。