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2023年(令和5年) 10月4日(水)付紙面より

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本年度農業賞に伊藤氏(酒田) 庄内文化賞に酒井氏(鶴岡) 酒田市 11月2日顕彰式

 酒田市は、本年度の農業賞をJA庄内みどり代表理事常務など歴任した伊藤千春氏(67)=同市保岡=に、庄内文化賞を公益財団法人致道博物館顧問の酒井天美氏(78)=鶴岡市家中新町=にそれぞれ贈ると発表した。顕彰式は11月2日(木)に同市のベルナール酒田で行われる。

 農業賞は、初代酒田農業協同組合長の故伊藤惣治郎氏の遺志と遺族の寄付に基づき、市が1979年に伊藤農業振興基金を造成し伊藤農業賞として創設。市の表彰規則に基づき農業振興に積極的に取り組み、他の模範となる個人・団体を表彰している。

 伊藤氏は1995年に本楯カントリーエレベーター利用組合長に就任、乾田V溝直播栽培の実践、農業生産法人の法人化など地域農業の生産振興に注力。2013年から昨年まで本楯地区農業振興協議会長を務め、地域農業のリーダーとして先導的な役割を果たした。07年6月―13年6月には同JA代表理事常務を歴任した。

 庄内文化賞は1979年創設。市の規則に基づき庄内地方に居住し学術、美術、音楽、演劇、舞踊などの活動で優れた成果を挙げた個人・団体を顕彰している。

 酒井氏は、鶴岡市の松ケ岡開墾場二番蚕室を利用して1986年に設立した「ギャラリーまつ」で、29年という長きにわたって500回を超える展覧会を開催し、庄内地域をはじめとした国内外のアーティストによる芸術作品を広く紹介してきた。自身も歌人として芸術活動に励み、昨年9月に発行した歌集「四季の恵」は好評を博している。

左から酒井天美氏、伊藤千春氏
左から酒井天美氏、伊藤千春氏


2023年(令和5年) 10月4日(水)付紙面より

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流行に備え早めに対応 インフルエンザワクチン接種始まる

 今月から始まった季節性インフルエンザのワクチン接種。例年になく早い時期から感染が広がっていることを受けて庄内地域の各医院でも老若男女らが早速訪れ、接種を受ける姿が見られる。

 例年になく早い時期からインフルエンザ感染が広がっている今季。日本感染症学会は2020年以降、大きな流行がなかったことから子どもや高齢者を中心に抗体量が減って感染しやすい状態の人が増えている可能性があると指摘し、「ワクチンの積極的な接種を推奨」とする文書を公開している。

 実質的に接種初日となった2日午前、酒田市広野の池田内科医院(池田眞人院長)には、老若男女が訪れ、池田院長による問診の後、看護師から受けていた。

 北海道への修学旅行を控え、初日に接種を受けた片桐愛夢さん(17)=酒田南高2年=は「校内でも流行(はや)っている。楽しみな修学旅行を前にかかってはいけないと思い、早めに接種した。これでひと安心」と話した。同医院チームリーダーで看護師の安食千祥さんは「新型コロナ・インフルエンザワクチンの同時接種、同時検査も可能。流行に備え、自分の体に対する意識を高く持って早めの接種を」と呼び掛けている。

ワクチン接種を受ける女子生徒=2日午前、酒田市広野の池田内科医院
ワクチン接種を受ける女子生徒=2日午前、酒田市広野の池田内科医院


2023年(令和5年) 10月4日(水)付紙面より

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人口減少を止める街の振興策は

 酒田市の9月定例議会が開会した。9月に就任した矢口明子市長は「市が抱えるさまざまな課題の根本原因である人口減少をできる限り抑制し、人が減っても豊かに安心して暮らせるような街づくりをする」と、市政を担う抱負を述べた。同市では市街地活性化につながる整備が動いている一方、足踏みが続く計画もある。街づくりに向けた市の役割は大きい。

 人口が減少期に入った。減り方が大きい地方では、商業施設や住宅を中心部に集約させる「コンパクトシティー」構想へ期待が高まった時期もあった。しかし中山間地など広大な市域を抱える地方の都市での実現には、なかなか難しい構想でもあった。矢口市長の、人口減少下で安心できる街づくりの手腕に期待がかかる。

◇      ◇

 矢口市長は具体的な施策として(1)市民所得の向上(2)働きたいと考える全ての市民が働くことができる環境の整備―などを柱に掲げた。併せて「人口減少時代こそ一人一人に求められる役割が大きい」と、豊かな街づくりに向けて市民の総力が集まることが欠かせないとも述べた。

 酒田市では1976年10月の酒田大火後、中心街の核、中町の清水屋デパートと、JR酒田駅前の大沼デパートと大手スーパー・ジャスコによる「商業二極回遊型」による市街地活性化に期待が集まった。酒田北港への企業進出もあって人口が10万人を超え、2005年の広域合併で11万8400人に増えた人口も21年3月に10万人を割った。一方、合併で市域面積は旧市域の3倍余の約600平方キロに増え、国の政策による広域合併がコンパクトシティー構想を難しくしたとも言える。

 街の元気の指針の一つが、中心街に集まる人の動向。市の調査によれば、ジャスコ跡地前、大通り商店街、中町モール3地点合計の人出は14年の2718人から20年には2167人に減り、21年の中心市街地活性化に関するアンケート調査(回答数1071件)では、5年ほど前と比べて中心市街地を訪れる機会が増えた・やや増えたは15%、変わらない39・5%、減った・やや減ったは39%。数字からは中心市街地離れの傾向が見えてくる。

◇      ◇

 長年の懸案のJR酒田駅前の再開発が完成し、観光の中核の山居倉庫周辺、県立酒田商業高校跡地の再開発事業も進む。中町の旧パイレーツビル跡地にホテルの進出も決まった。「人が集う」施設ができる事は、にぎわいの創出につながる期待が持てる。

 閉店から2年、破産手続きが進められている旧マリーン5清水屋跡の開発に焦点が集まる。土地の購入を希望する企業があるが、購入価格、再開発方法などで地権者の意見が分かれている。酒田の経済を支えてきた中町商店街の再開発は、矢口市長が進める街づくりにも大きく関わる。旧マリーン5清水屋跡再開発の、早期前進を願いたい。

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