2023年(令和5年) 11月30日(木)付紙面より
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酒田市出身で大相撲幕内の北の若関(23)=八角部屋=の激励会が28日夜、同市のガーデンパレスみずほで開かれた。新入幕で臨んだ九州場所は5勝10敗と負け越したものの、後援組織「北の若を応援する会」の会長を務める矢口明子市長らの激励を受けた北の若関は「一から自分を見つめ直して頑張る」と次の場所に向けて意気込みを語った。
北の若関は宮野浦小、酒田一中出身。小学3年から酒田相撲教室に通い、中学3年時には全国都道府県中学生相撲選手権大会で優勝。さいたま市の埼玉栄高に進学し、全国高等学校総合体育大会(インターハイ)相撲競技では個人と団体を制した。19年3月に大阪・春場所で前相撲デビュー。稽古を重ねて着実に力をつけて昨年の1月場所に十両昇進。東2枚目と好位置で挑んだ今年の秋場所は8勝7敗と4場所連続で勝ち越しし九州場所で新入幕を果たした。端正なルックスもあって若手のホープとして注目されている。
この日の激励会は応援する会の主催で、会員ら約130人が参加。拍手で迎えられた北の若関を前に矢口市長は「会場で『酒田市出身』とアナウンスされるたびにうれしかった。九州場所は残念な成績だったが、まだまだ若く、来場所以降に期待している。多くの市民が応援している。まずはけがに気を付けて」と激励。副会長を務める加藤聡酒田商工会議所会頭、北の若関を後援する企業など、いわゆる「タニマチ」で組織する「北の若を支援する会」の新田嘉七平田牧場社長が激励金、激励品を手渡した。
これを受けて北の若関は「今場所はふがいない成績だった。来場所はまた十両からのスタートだが、一から自分を見つめ直して頑張る。応援よろしくお願いします」と抱負を述べた。
一方、相撲漫画の金字塔「バチバチ」などで知られる同市出身の漫画家・故佐藤タカヒロさんの作品「鮫島、最後の十五日」をモチーフに、応援する会が制作し寄贈した化粧まわしが披露された。主人公・鮫島鯉太郎の気迫あふれる立ち合いを佐藤さん独特の構図で表現し、北の若関は「タカヒロさんのすごみが一番出ていると感じた。すてきな作品で連日、土俵入りができたことはありがたい」と述べた。
佐藤さんの実弟で、建設資機材などレンタル業「酒田レンタル」(同市こがね町二丁目)の佐藤博信社長が登壇し、「兄の作品を採用してもらい、感謝でいっぱい。毎日楽しみにしていた。体に気を付けて頑張ってほしい」と語った。