2023年(令和5年) 12月10日(日)付紙面より
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高校生、大学生ら若い世代の国民年金加入促進に向け、東北公益文科大学(酒田市、神田直弥学長)で年金を学ぶ3年生4人が制作したショート動画「年金ボーイ」が、厚生労働省主催「年金動画・ポスターコンテスト(旧・令和の年金広報コンテスト)」で最高賞の厚労大臣賞を受けた。公益大としては5年連続の最高賞受賞。動画共有サイト「YouTube」内にある厚労省チャンネルで閲覧できる。
同コンテストは、次世代を担う若い世代と共に年金について考えていくことを目的に同省が2019年度から企画。同省年金局によると、5回目となった本年度はポスター、60秒以内のショート動画両部門に全国各地から計141点の応募があったという。
若年層の国民年金未加入・保険料未納が社会問題化する中、阿部公一公益大教授(社会保障論、公的年金論など)の歴代ゼミ生らは16年度から「国民年金加入行動啓発プロジェクト」と銘打ち、若年層に国民年金の「自分ごと化」を促すための動画を制作し随時、「YouTube」にアップしている。
最高賞を受けたのは、いずれも阿部教授のゼミに所属する3年の佐竹迪喜(ふみはる)さん(21)、福井駿さん(21)、三浦大知さん(21)、渡辺拓さん(21)の4人のチームで、企画や構成、演出、撮影、出演を分担した。漫才コンビ「ミルクボーイ」のおなじみのネタをモチーフに▽老齢基礎年金▽障害基礎年金▽遺族基礎年金―の3つについて、2人の掛け合い漫才で笑いを取りながら紹介。ショート動画特有の縦長の画面に配慮したカメラワークなどにこだわった。
授賞式は「年金の日」の先月30日に厚労省で行われ、宮崎政久厚労副大臣が賞状を手渡した。副ゼミ長でチームリーダーの渡辺さんは「副大臣からは『面白かった』と言ってもらい、チーム内での意思決定の方法など聞かれた」と話し、「他の作品に負けまいと精いっぱい頑張ったが、最高賞が取れるとは思わなかった。動画が世に広まり、課題解決につながれば」と続けた。
最高賞のほか、公益大からは協賛特別賞(日本年金機構特別賞)1点、佳作2点が選ばれた。神田学長は「最高賞など4点が選ばれたことは素晴らしい。本学はアクティブラーニングを推進しており、地域課題解決に向けた取り組みを行っている。その取り組みが評価されたことが何よりうれしい」とたたえた。