2023年(令和5年) 12月17日(日)付紙面より
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3幕構成「より楽しい行列に」
「酒田の興り」「徳尼公と三十六人衆」「庄内の安寧。港酒田の栄華」
来年5月に酒田市中心部で繰り広げられる「酒田まつり」で、20日(月)の本祭りに合わせて行われる酒田の通史を広く紹介するイベント「時代行列」のキックオフミーティングが14日夜、同市の山王くらぶで開かれた。これまでの2回を振り返るとともに、飽海地域史研究会(同市)の小野寺雅昭会長がほぼ史実に基づき作成した来年のシナリオについて意見交換、成功に向けて機運醸成を図った。
時代行列は2022年5月、酒井家庄内入部400年、河村瑞賢翁による西廻り航路開設350年などを記念し初めて企画。今年は、コロナ禍の影響で中断していた「酒田花魁(おいらん)道中」の練り歩きをはじめ、いずれも市民らが扮(ふん)した弁慶と義経、「酒田の開祖」といわれる徳尼公と三十六人衆など酒田に縁のある歴史上の人物が次々と登場しパフォーマンスを展開。「荘内藩甲冑(かっちゅう)研究会」(鶴岡市)による殺陣なども披露され、祭りを大いに盛り上げた。
今回のミーティングは、来年の開催に向け、早めに始動することでより多くの市民の参加を促そうと実施。酒田まつり実行委員会の久木原満実行委員長、小野寺会長ら関係者と共に、シナリオ監修を担当した、出羽三山の歴史に詳しい「いでは観光ガイドの会」の田村廣実会長(鶴岡市羽黒町手向)が出席。久木原実行委員長が「歴史の街づくりを進めたい。より楽しい時代行列にしよう」とあいさつした後、これまでの開催を振り返った。
その後、来年の時代行列の方針・内容について検討。▽核となる『酒田の興(おこ)り』の確立▽個による立ち上げ期間を終え、チームで向かう―の2つを方針とした上で、これまでの2回同様、市中心部の国道112号、「てとて中町」前特設ステージを会場に、▽イントロダクション=酒田の興り▽メイン=徳尼公と三十六人衆▽フィナーレ=庄内の安寧。港酒田の栄華―の3幕構成で行うことにした。
小野寺会長が作成したシナリオは1、2幕。羽黒山五重塔前が舞台となる第1幕は口上とステージを活用した演出で、源平合戦壇ノ浦後、奥州平泉に逃れる義経・弁慶一行と羽黒山伏のやりとりを描く。第2幕では、平泉を焼かれた後、三十六人衆と共に酒田にたどり着いた徳尼公を盛大な宴で歓待するというストーリー。第3幕は花魁道中や山車巡行などで酒田の栄華を表現する。今後さらに検討を重ね、来年4月上旬までに催事計画をまとめる。
一方、実行委員会などは来年3月、徳尼公への理解を深めるためのフォーラムを市内で開催予定。講演会やワークショップを通し、広く市民から酒田まつりへの機運醸成を図ってもらう。