2024年(令和6年) 1月17日(水)付紙面より
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1960年代に全国的に流行した歌声喫茶を通し市民相互に交流を深める「酒田うたごえ喫茶」(高橋治代表世話人)の今年初の例会が14日、酒田市の酒田駅前交流拠点施設「ミライニ」で開かれた。集まった市民らが、童謡を数多く作っている峯(みね)陽(よう)さん(91)が作曲を担当した「鳥海山の歌」「最上川の子守歌」などで声をそろえた。
「酒田うたごえ喫茶」は約8年前から市内で月1回活動。今年最初の例会となったこの日は市民ら約30人が集まった。
「オバケなんてないさ」「誕生日のうた」といった童謡作品がある峯さんは30年ほど前、講演のため同市を訪れた際、市内の保育園に勤務していた齊藤惠さん(75)=同市上餅山=が案内した。峯さんが「庄内弁はきれいで歌になる」などと話したことをきっかけに、齊藤さんが「鳥海山の歌」「最上川の子守歌」を作詞し、峯さんがそれに曲を付けた。
「最上川の子守歌」は1番こそ標準語でつづられているものの、これに続く2番は「おらいのめんご 笑ってねぶれ じょんぶでおがれ」、3番は「どごねの子だも ゆっくりねぶれ でっけぐおがれ」と庄内弁を駆使しているのが特徴。また、「鳥海山の歌」では曲間に「いがった いがった だいじして しっかり育てんなだぞ」との語りが挿入されている。
齊藤さんは現在、毎年春に市内で開催される「あったかコンサート」と称した音楽イベントを主宰。この日は自らリードを務め、峯さんが作詞・作曲した「鳥海山慕情の歌」を含め3曲で集まった市民らが声をそろえた。このほか、ギターリストの市原正弘さん(同市末広町)の伴奏で「北国の春」「サライ」「あの素晴らしい愛をもう一度」などを声高らかに歌い上げた。
高橋代表世話人(同市亀ケ崎二丁目)は「年始から地震などさまざまな災害が発生している。せめて歌うことで心和やかに過ごすことができたら」と話した。次回例会は2月11日(日)午後1時から、ミライニで。問い合わせは高橋代表世話人=電070(6629)0038=へ。