2024年(令和6年) 3月14日(木)付紙面より
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広く園芸作物に関して県庄内総合支庁農業技術普及課産地研究室(伊藤聡子室長)が研究・開発に携わっている技術を紹介し、生産現場へのスムーズな活用を図る「庄内園芸振興技術研修会」が8日、酒田市浜中の産地研究室で開かれた。研究員が6つのテーマで研究成果を発表したほか、講演を通して聴講した行政・農業団体関係者らが新たな技術への理解を深めた。
ブランド力の高い園芸産地の確立に向け、産地研究室で取り組む生産技術などの開発動向、改善に関する情報を農業者や関係団体に紹介し、生産現場での技術向上に役立ててもらおうと、庄内5市町や各JAなどで組織する砂丘地農業試験場協力会(会長・五十嵐良弥JAそでうら代表理事組合長)と産地研究室が毎年この時期に開催している。
この日はオンラインを含め関係者約40人が聴講。▽ネット系メロンの安定着果及び高品質栽培技術の確立▽夏ねぎの出荷調整後の温度管理による軟腐(なんぷ)病対策▽庄内砂丘地におけるサツマイモ栽培に適した品種の検討▽ストックの高八重率品種の特性と開花調節技術の検討▽甘柿のジョイントV字仕立てにおける安定生産技術の開発▽おうとう「山形C12号」の庄内地域における結実性―の6テーマでそれぞれ担当する研究員が報告した。
このうち本年度まで2カ年にわたったネギが軟化腐敗し異臭が発生する「軟腐病」に関する研究では、研究員が「出荷調整後の予冷温度が低いほど腐敗発生が抑制された。軟腐病菌を摂取して4度で予冷した場合、予冷しない場合に比べ、発病株率が低く推移した」と。そして「種まきから収穫までの徹底した栽培管理、適切な流通体制が信頼される産地として重要。低温性のネギは高温期の栽培や流通には不向きだが、本試験で得られた知見を活用し、確固たる産地を築いて」とまとめた。
引き続き県庄内総合支庁農林技監兼農業技術普及課長の石黒亮さんが「庄内地域の園芸振興への期待―園芸振興は園芸進行」と題して講演。会長を務める五十嵐組合長は冒頭あいさつで「園芸に関し昨年は相当な打撃を受けた一年となったが、全てではない。中には技術力でカバーした農家も多く見られた。研究成果を今後の技術指導に役立ててほしい」と述べた。
2024年(令和6年) 3月14日(木)付紙面より
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庄内の伝統食を英語で紹介する「英語授業発表会」が11日、酒田市の第三中学校(佐藤英喜校長、生徒509人)で行われ、1年6組の生徒29人がALTの先生たちにむきそばや卵寒天などの郷土食を英語で発表した。
発表を通し、英語表現力、コミュニケーション力を高めてもらおうと、担任で英語を担当する佐藤麻衣教諭を中心に初めて企画。生徒たちは6班に分かれ、▽むきそば▽卵寒天▽ハタハタ▽ベロベロ餅▽イナゴのつくだ煮▽からからせんべい―について、それぞれの歴史や作り方などを調べ、英語で発表するための文章作成などに取り組んできた。
この日はALT4人のほか、多くの保護者が見守る中、生徒たちはこれまでの学びの成果を発表。実際に試食を用意し提供するなど、工夫を凝らして紹介していた。このうち卵寒天を紹介した班では、寒天を「Not pudding.(プリンではありません)」と話すなど、笑いやユーモアを交えながら表現。「My mother made it.(母が作ったものです)」と家庭で作った卵寒天を手渡し、好評を得ていた。
発表した関沢優斗さん(13)は「緊張したけど楽しく英語を話せた。練習も大変だったが、郷土食を調べると知らなかったことが多く、地元について改めて勉強になった。先生たちの反応が良くて最高にうれしかった」と笑顔で話した。
発表を聞いたALTの一人、ジェイデン先生(カナダ出身)は「全ての発表が興味深くて面白かった。中でもイナゴのつくだ煮の食感や甘めの味がおいしかった。生徒たちの英語はとても上手で、レベルの高さを感じた」と感想を話した。