2024年(令和6年) 4月16日(火)付紙面より
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東北公益文科大学(酒田市、神田直弥学長)の学生たちが、菓子製造・酒田米菓(同市両羽町、佐藤栄司社長)、環境設備・装置製造などのメカニック(同市砂越、佐藤優社長)と共に取り組んだオリジナル米菓「ばんけせんべい」が完成し、酒田米菓直営店で販売を開始した。参加学生たちは「今回の商品開発でさまざまな学びが得られた。この商品が広く知れ渡り、地域活性化につながれば」と話している。
広崎心公益大准教授(マーケティング、商品開発など)の専門演習(ゼミ)で昨年6月、佐藤栄司社長が講話。この際に「学生と一緒に新商品を作りたい」との声掛けがあり、ゼミに所属する当時の2、3年生6人と共に開発に着手した。「さまざまな味を試した結果、実際に作ることができそうなものとしてバンケ(フキノトウ)になった」(広崎准教授)という。香料ではなく、実際に庄内地域で採れたバンケを使用、さらに「地球環境への配慮」という公益学的視点を鑑み、太陽光パネル下での稲作(ソーラーシェアリング)に取り組むメカニックが栽培した「ソーラー米(はえぬき)」を原材料として活用することにした。
「バンケのてんぷらを塩で食べる感じ」をコンセプトに掲げ、学生たちは広崎准教授、両社の社員と共に検討・試食を重ね、特有のほろ苦い香りがほのかに漂うテイストに仕上げた。太陽光パネルの下でたわわに実る稲をモチーフに、「ばんけせんべい」の文字を強調したパッケージデザインも学生たちが手掛けた。
広崎准教授は「学生のアイデアと、両社の特徴が盛り込まれた商品。地域産業の活性化になれば」と。佐藤優社長は「はえぬき250キロを提供した。ソーラー米がせんべいになるのは初めて。ソーラーシェアリングの取り組みが広く知れ渡るきっかけになってほしい」と話した。
バンケ味のせんべいは酒田米菓として初の試みという。酒田、山形、仙台、秋田の各市、東京都渋谷区にある同社直営店で13日から取り扱っている。50グラム入り320円(税別)。5000袋限定。問い合わせは同社=電0234(22)9541=へ。