2024年(令和6年) 7月5日(金)付紙面より
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県魅力ある県立高校づくり推進事業「フューチャープロジェクト」の採択を受けた酒田市の酒田光陵高校(藤田雅彦校長)で3日、最新テクロノジーについて理解を深める体験型授業が行われ、普通科2年生65人が仮想空間におけるサービス・プロダクトを意味する「メタバース」の可能性について考察した。
同事業は、県立高校の特色化・魅力化を図り、次代の山形を構築する人材の育成・確保に取り組むもの。採択初年の昨年度、教職員・生徒対象の講演会、生成AIに関する勉強会などを開催したほか、共同研究として伝統工芸品「酒田船箪笥(だんす)」を手掛けている加藤木工(同市北今町)の加藤渉さんの指導を受けながら生徒有志による部材の装飾金具制作、本県唯一の有人離島・飛島における避難通路の整備といった活動を展開した。
今回は、最新テクロノジーに触れることで生徒たちから学びへの意欲を高めてもらおうと、プロジェクトの一環として企画。仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)など包括した「XR」を活用した新たなビジネスを生み出す拠点として県、山形大学アントレプレナーシップ教育研究センターなどが昨年設立した「ヤマガタリアルメタバース研究所」が協力した。
最初に、研究所メンバーでXR技術によるエンターテインメントを提供するSTYLY(東京)の澤田有人さんが講話、「ライフスタイルの中でXRを使っていく時代の入り口に立った。場所の価値が現実のものだけでなくなる時代が間もなく到来する。山形の現実拡張を作りやすいのは、ここに住んでいる皆さん。次の時代の山形を一緒に創ろう」と呼び掛けた。
引き続き生徒は頭に装着できるゴーグル状のディスプレイ「ヘッドマウントディスプレイ(HMD)」を装着し、同社が構築したXR空間を体験。東京・渋谷の上空から地面に落下したり、ビルの間から花火が打ち上がると生徒からは歓声が上がった。
この体験を経て生徒たちは「XR技術を使ってできること」をテーマにグループワーク。生徒の一人、五十嵐真子さん(16)は「渋谷の上空を飛んだり、そこから落ちた時は驚いた。XR技術を用いた酒田の道案内など構築できたら面白そう」と話した。
2024年(令和6年) 7月5日(金)付紙面より
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警察、海上保安部、消防、自衛隊(防衛省)の4機関合同による公務員職場ガイダンスが6月29日、酒田市大町の酒田地区広域行政組合消防本部・消防署で開かれ、参加者が各機関の活動について理解を深めた。
酒田警察署(小川広治署長)、酒田海上保安部(相川武司部長)、酒田消防(齊藤政晴消防長)、自衛隊山形地方協力本部酒田地域事務所(武内義孝所長)の共催事業。各機関は普段個別に職場紹介を実施しているが、団結してよりアピール力を高めようと、2017年から合同で開催。多くの機関を一度で体験できることから、学生の就職指標を考える機会として好評を得ている。
この日は同市内の中高生を中心に6人が参加。参加者は2グループに分かれて各ブースを回り、各組織の概要説明を受けたほか鑑識捜査や装備着用などを体験した。
このうち消防のブースでは、車両を間近に見ながら各車両の役割や機能を説明。山岳救助などで重さが3分の1になる「倍力システム」を活用したロープ引き体験、出動訓練の見学を行った。参加した酒田南高3年の田邊快さん(17)は「消防志望。他の公務機関を知るきっかけにもなって良かった。比較もできて、働くイメージが具体的にできた」と話した。