2024年(令和6年) 7月18日(木)付紙面より
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今年5月から酒田市美術館で開催されているフェルトアート作家・中山みどりさん(49)=東京都=の作品展で、中山さんの作品1点の寄贈贈呈式が展示最終日の15日、市美術館で行われた。中山さんが新作「We Love 酒田♡」を同市に寄贈し、矢口明子市長と懇談した。
中山さんは愛知県常滑市出身。武蔵野美術大学日本画学科を卒業後、2001年から羊毛による作品を制作、フェルトアートの世界を開拓した。オーダーメードで愛犬、愛猫を作ることなどで話題を呼び、これまで1200体以上の作品を手掛けてきた。市美術館では2016年に中山さんの作品展を県内初開催。19年の「ピーターラビットの世界展」では、中山さんが市美術館の依頼でピーターラビット作品を制作し、特別展示が実現した。今回の寄贈はこうした交流から行われたもの。
この日の贈呈式には関係者らが参加。中山さんが寄贈する作品を矢口市長に手渡した。寄贈された「We Love―」は獅子頭のかぶり物をした土佐犬など2体の犬と、まといを持って応援する猫1体がかわいらしく表現された3体一組の作品で、最も大きい土佐犬は幅20センチ、奥行き40センチ、高さ35センチの大きさ。
中山さんは「酒田のシンボルとなっている獅子頭をテーマに作品を作った。市民の団結と酒田への愛を表現した」と話し、矢口市長は「酒田にしかないものを制作してもらい大変ありがたい。この作品を通して酒田でもフェルトアートを広げていきたい」とお礼を述べた。
寄贈された作品は今後、市内の保育園で巡回展が行われるほか、終了後は市美術館で保管し、収蔵展などで展示するという。
2024年(令和6年) 7月18日(木)付紙面より
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数少ない庄内の紅花生産者として知られる加藤富子さん(77)=酒田市=が栽培を行っている同市坂野辺新田の「カトちゃん畑」で15日、紅花まつりが開かれ、参加者が摘み取り体験などを楽しんだ。
加藤さんが紅花を栽培するようになったのは今から16年ほど前。呉服会社に勤めていた頃、展示会で紅花染めの美しい反物と出合ったことがきっかけという。定年退職後、白鷹町の紅花農家に1年間通い続けて栽培方法を学び、知り合い農家の畑を借りて本格的に栽培を始めた。まつりは、紅花について多くの人から目を向けてもらおうと企画し、7回目。加藤さんによると、今年は10アールの畑に指導する栽培者ら8人と3月末から4月上旬にかけて種まき。7月1日に花が咲き始めたが、その後は雨が多く、例年に比べ10日前後生育が遅れていたという。
この日は約70人が参加。加藤さんら栽培者から「とげに注意」などの指導を受けた後、約70センチに伸びた紅花から黄色く色づいた花を丁寧に摘み取っていた。また、参加者には先着で紅花をプレゼント。会場では紅花いなりや若菜のキッシュ、紅花を材料に使ったお弁当などが並び、飛ぶように売れていた。
同市から参加した新田まどかさん(34)とかのんちゃん(4)は「ちくちくして大変だったが、上手に摘み取れた。紅花で娘の布巾を染めてみたい」とにっこり。加藤さんは「紅花は余すところがない花。もっと紅花生産者を増やして酒田の活性化につなげたい」と話していた。今回摘み取った紅花は、今年10月開催予定の紅花を使った料理教室や来年2月予定の染物体験教室で使われるという。