2024年(令和6年) 9月19日(木)付紙面より
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遊佐町沖、酒田市沖で進む洋上風力発電の事業化に向けて2027年度末の完成を目指し着工した酒田港洋上風力発電基地港湾の整備事業に関連し、県は同市の外港地区国際コンテナターミナル西側海域約12ヘクタールを浚渫(しゅんせつ)の際に出る土砂を用いて埋め立てる護岸整備に着手。報道関係者向け現地説明会が17日、近くの酒田北港緑地展望台で開かれ、県港湾事務所の担当者が事業概要など解説した。
港湾法に基づく基地港湾(海洋再生可能エネルギー発電等拠点港湾)として国土交通省は今年4月、酒田港を指定。同省酒田港湾事務所と県は今月8日、同市のガーデンパレスみずほで基地港湾整備着工式典を開催した。
同港洋上風力発電基地港湾は同ターミナル南側に位置する埋め立て地のうち「大浜西埠頭(ふとう)」約34ヘクタールを活用。風車建設に必要な資材を運ぶ大型船の出入港、運び込まれた資材の仮置き場として利用するため、水深12メートルの岸壁と泊地・航路、消波ブロックによる波除堤、外周道路など埠頭用地を整備する。国と県合わせた事業費は122億円を見込んでいる。
基地港湾整備に関連し県は、同ターミナル西側海域にコンクリート製箱状構造物・ケーソン(幅・高さ8メートル、長さ14・9メートル、重さ約630トン)を49基配置して海を囲い、この中に水深確保の際に海底から出る浚渫土およそ100万立方メートルを流入して護岸を整備。事業費は112億円で、27年度末の完成を目指す。今月8―10日には最初のケーソン6基が据え付けられた。
説明会は展望台から整備箇所を確認しながら行われ、県港湾事務所の森川道夫港湾整備主幹が事業概要を紹介。森川主幹は「海での大規模工事だけに危険が付きもの。安全対策を考えながら進め、洋上風力の事業開始に間に合わせたい」と話した。