2024年(令和6年) 10月2日(水)付紙面より
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SNSなどを通して未成年が被害者となるネットトラブルを防止しようと県少年警察大学生ボランティアと酒田第一中学校の有志が28日、酒田警察署で被害防止を呼び掛けるタブレット用の壁紙作りに協力して取り組んだ。
同署などによると、2023年に全国で検挙された特殊詐欺の受け子のうち、5人に1人が20歳未満の少年だった。また、ゲートウェイドラッグといわれる大麻事案では少年1222人が検挙されており、SNSなどで誤った情報が発信されるなど増加傾向という。一方、SNSなどに起因する事案で被害を受けた子ども(18歳未満)は1665人で、このうち小学生は139人。小学生の被害は10年前に比べ5倍に増加した。同署管内でもSNSでの誹謗(ひぼう)中傷などの相談件数は増加しているという。
同署では児童・生徒が被害に遭わないように、同署管内の小中学生全員が利用している学習用タブレットに着目。被害防止を呼び掛ける壁紙を作成することにし、若い世代の視点を取り入れるため、大学生ボランティアと酒田一中の生徒有志と共に取り組むことにした。タブレット壁紙の作成は県警では初の取り組みという。
この日は同署管内で活動する大学生ボランティア17人のうち趣旨に賛同した公益大2―4年生7人と酒田一中1―2年生3人が参加。参加者は最初に全国での少年非行の現状やSNSに関する被害状況などの説明を受けた後、3班に分かれて壁紙のデザイン案を作成。参加者は「小学1年生でも分かるような感じで」「悪いことは悪いとはっきり伝えた方がいい」「あまり長くなく短く簡潔に」など意見を出し合いながら、イラストや文言の組み合わせを考えたり、白紙に描いたデザイン画を写真に撮るなど取り組んだ。約40分の作業で「書き込む前に考えよう」「SNSでもルールを守ろう」「オンラインゲーム 始める前に時間を決めよう」など計31案を完成させた。
参加した大学生ボランティアの佐藤嘉彦さん(公益大4年)は「これまでは大学生や大人と活動してきたが、中学生ならではの発想があって楽しかった。今の小中学生はタブレットを持っているのが当たり前になっているので自分たちも勉強になった」、本宮想愛さん(酒田一中2年)と後藤亜依子さん(同1年)は「あまり大学生と交流したことはなかったので楽しかった。自信を持って自分の意見を言えたのでいい作品ができた」などとそれぞれ話していた。
作成した壁紙案はデータ加工した後、教育委員会を通して年内中に同署管内の小中学生に配布したい考え。