2017年(平成29年) 12月6日(水)付紙面より
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酒田市は4日、2007年に同市で第1回を開いた「北前船寄港地フォーラム」が来年5月、中国遼寧省大連市で開かれると発表した。丸山至市長が出向き、今年4月に登録された日本遺産を活用し、インバウンドの観光客増を働き掛けてくるという。
北前船寄港地フォーラムは、作家で酒田市美術館長(当時は秋田公立美術工芸短大学長)の石川好氏が提唱した「北前船コリドール構想」に基づき07年11月、新田嘉一平田牧場グループ会長が中心になって酒田市で第1回を開催。その後、規模を拡大しながら全国の寄港地で、これまで22回開催。今年8月には、それまで主催してきたJR東日本、同西日本、同北海道、日本航空、ANA総合研究所など民間10社で一般社団法人「北前船交流拡大機構」(理事長・浜田健一郎ANA総合研究所シニアフェロー)を設立し、地域間交流の促進で地域活性化を図る体制を強化した。
大連でのフォーラム開催は、同機構が設立時から当面の目玉事業の一つとして打ち出していた。同フォーラムには国内の主要な経済人が主催に加わり、国内最大規模の地域交流フォーラムとなっていることから、今年7月に岡山県で開かれた第20回大会に大連市の関係者が訪れ、同市への観光誘客を視野に交流を打診してきたもの。機構側でも、地域間交流を拡大する狙いと合致し、初の海外でのフォーラム開催が決まった。
大連では来年5月26、27日、第23回北前船寄港地フォーラムとして開く。26日は同市恒例のアカシア祭り開幕式に参加し、フォーラムのレセプションを開催。27日はフォーラムを開き、地域間交流拡大の可能性などについて意見を交わす予定。その後、観光商談会も行う。
酒田市など全国11市町は今年4月、フォーラムで培ってきた交流をベースに「北前船寄港地・船主集落」として日本遺産に登録されている。同市では同遺産を活用し、観光誘客増を働き掛けてくる方針だ。
4日の定例記者会見で丸山市長は19年には大連側から北前船寄港地に使節団が来る予定になっていることにも触れ、「できれば市民訪問団などを組織し、庄内、山形県から多くを大連に送り込みたい」と交流促進に意欲を示した。