2018年(平成30年) 1月4日(木)付紙面より
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海洋生物の保全活動に取り組む酒田市のNPO法人・みなと研究会(守屋元志代表理事)が酒田北港内に設置していたハタハタの産卵床について、元日朝に一時的に引き上げ観測したところ、通常の網目状のものには卵塊(ブリコ)が付着していたものの、廃車のシートベルトを海藻に見立てたものには付いていなかった。守屋代表理事は「波で全て流されたのでは」と話し引き続き、付着数やふ化率を調査していく方針。
ハタハタ増殖研究の一環として同法人は2005年から毎冬、海藻類の代わりに卵を産み付けるための産卵床を製作。ハタハタ釣りの“聖地”となっている水路内に沈め、ブリコの付着数やふ化率を調査している。
今季は日本郵便「年賀寄付金配分事業」の助成を受けて製作。通常の産卵床は長さ約10メートル、幅約1メートルの網を2基つなげた。シートベルトは約2・0メートルに切りそろえたものを約200本用意し、両端を木などで作ったフレームにくくり付けた。昨年12月4日に水路内に設置した。
産卵床の一時引き上げは守屋代表理事ら法人役員3人が参加し、元日午前9時から行われた。通常の網目にはブリコが多く付着していたが、シートベルトにはゼロ。守屋代表理事は「色が一部変わっているなどシートベルトに産卵した形跡は残っている。波で流れたのだろう。網目状の方がしっかりと卵を産み付けやすいようだ。回遊したハタハタが戻ってきているのは事実」と話した。
強風と高波のため、海中調査、今月14日(日)に開催する「鰰(はたはた)まつり」で来場者に配布するハタハタの寒風干しの作業は中止。同法人は引き続き今年2月末まで調査を継続する。