2019年(平成31年) 4月14日(日)付紙面より
ツイート
廃車のシートベルトを活用して人工藻場を製作、魚介類の“楽園”作りに取り組んでいる酒田市のNPO法人・みなと研究会(守屋元志代表理事)による一連の活動が、トヨタ自動車運営のインターネットサイト「クルマコミュニティサイト『GAZOO』」で紹介された。守屋代表理事の話を聞き取ったライターが執筆したコラム。守屋代表理事は「今年はクラウドファンディングの展開を予定している。これからも活動を広く発信していきたい」と話した。
長年にわたって海洋生物の観察・保全活動に取り組んでいる同法人は昨年、一昨年と日本郵便「年賀寄付金配分事業」の助成を受け、山形県自動車販売店リサイクルセンター(山形市、遠藤榮次郎社長)と共に、廃車のシートベルトを海藻に見立てた「人工藻場」を製作。酒田北港内・水路に設置したところ、カキなどの貝類が数多く付着したほか、周囲ではアジやクロコ、ボラといった小魚の泳ぐ姿が確認された。活動をまとめ昨年、環境省制定「第6回グッドライフアワード」に応募し、実行委員会特別賞を受けた。
シートベルトという自動車パーツのリサイクル活動を展開している同法人のことを知った、GAZOOでライター、編集などを担当する別役ちひろさんが今回、守屋代表理事に取材協力を依頼した。
聞き取りした内容をまとめて執筆したコラムのタイトルは「シートベルトの画期的リユース! 山形・酒田の海で海藻を再現」。別役さんは冒頭、「人命を守るシートベルトが、北の海で海の生物を守るという第二の人生を迎えています」と。同法人提供の写真を織り交ぜながらこれまでの活動を細かく紹介。「『不要』となったものに新たな命と役割が生まれる。このシートベルト海藻が、この先もあらゆる海洋生物の住処や産卵場所として活用され、環境保全の推進に寄与することが期待されます」とまとめている。
「われわれの重要な柱として今年もこの活動を進めていく」と言う守屋代表理事は「水路内には海藻類がほとんどない。人工藻場を設置したことで小魚も集まり、魚介類の“楽園”になった。藻場は産卵場所、稚魚の保育場所となり、水産資源の保護や培養に重要な役割を果たす。海洋生物の増殖につながれば」と話した。
GAZOOのアドレスはhttps://gazoo.com/。今回のコラムは新着トピックス「4月10日」の欄に掲載している。タグは「記事・特集」「コラム」「自動車パーツ」。