2019年(平成31年) 4月21日(日)付紙面より
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世界中で愛され続けているウサギ「ピーターラビット」の作者、ビアトリクス・ポターの生誕150周年を記念した巡回展「ピーターラビットの世界展」が20日、酒田市美術館(石川好館長)で始まり、初日から大勢のファンが訪れ、その愛らしい姿に見入った。
ポターは1866年、英国・ロンドン生まれ。幼少期から動物や植物のスケッチが好きで、1901年に「ピーターラビットのおはなし」を自費出版。翌02年には白黒の線描画だった挿絵に色を付けて出版、生涯で計24作の絵本を発表した。晩年はロンドンから自然豊かな湖水地方に移住し自然保護活動の先駆者、農場経営者としても活躍した。
今回は、大東文化大学ビアトリクス・ポター資料館所蔵のコレクションをはじめ、日本の伝統工芸品とのコラボレーション作品など計180点を紹介。キルト作家、斉藤謠子さんが制作したピーターラビットをモチーフにしたパッチワークキルト作品の数々、フェルトアート作家の中山みどりさんによる立体造形、写真家・辻丸純一さんが撮影した湖水地方のパネル、戦前に日本で出版された絵本などが館内に並ぶ。
同美術館学芸員の武内治子さんは「ポターの生涯をたどった展示品を通し、ピーターラビットが愛され続けている背景を探ってもらえたら」と話した。
展示は5月26日(日)まで。関連企画として4月21日(日)午後2時から東北公益文科大の遠山茂樹教授(英国中世史など)が「ピーターラビットで読み解く英国社会」と題し講演。5月4(土)、5(日)の両日はピーターラビットが来館し記念写真に応じる(先着順)。問い合わせなどは酒田市美術館=電0234(31)0095=へ。