2023年(令和5年) 12月27日(水)付紙面より
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死傷者38人を出した庄内町榎木のJR羽越本線特急「いなほ14号」脱線・転覆事故は、25日で発生から18年を迎えた。事故発生現場に建つ慰霊碑前では同日午前、深澤祐二社長らJR東日本役員が黙とう・献花をささげ、犠牲者の冥福を祈るとともに、再発防止を誓った。
2005年12月25日午後7時14分に発生した同事故では乗客5人が死亡、乗員・乗客33人が重軽傷を負った。国土交通省航空鉄道事故調査委員会(当時、現・同省運輸安全委員会)は08年に「局所的な突風が原因」とする最終報告書を公表。再発防止に向け同社は、気象庁気象研究所と共に突風を探知し列車運転規制に運用するドップラーレーダーの精度向上を図るなど、さまざまな対策を講じている。
この日は時折晴れ間も広がる天候の中、深澤社長ら役員5人が碑前まで歩を進め、黙とうに続いて献花し犠牲者の冥福を祈った。終了後、会見した深澤社長は「事故から18年。亡くなられた5人の冥福を心からお祈り申し上げる」と深々と頭を下げ、「安全を何より優先するということを胸に刻み、引き続きしっかりとやっていくことを誓う。新しい技術を活用し、社員一人一人の安全への意識を日々の活動の中で高め、事故を風化させない取り組みを続けていく」と述べた。