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2021年(令和3年) 11月9日(火)付紙面より

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戦国時代 羽黒山からの書状見つかる 東京都市大・丸島准教授が致道博物館に寄贈 本能寺の変ごろ白岩の領主あて 当時の政治史考察上で貴重

 戦国時代に羽黒山から発給された新たな書状が見つかり、所有していた東京都市大(東京都)の丸島和洋准教授(史学)が6日、鶴岡市の致道博物館(酒井忠久館長)に寄贈した。本能寺の変があった天正10(1582)年ごろ、羽黒山の実質的な統括者だった下旬長吏・永玄が、寒河江大江氏一族の白岩氏に宛てたもので、当時の本県の政治史を考える上で貴重という。

 丸島准教授は甲斐武田氏の研究を専門とし、2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」で時代考証を担当した。今回の史料は今年1月にオークションで入手したもので、詳しく調べるうちに羽黒山関係のものと分かり、地元への寄贈を思い立ったという。

 書状は縦29・7センチ、横43・0センチ。本来はもっと横長で、軸装の際に切られたとみられている。「卯月(旧暦4月)五日」に「下旬長吏 永玄」が「白岩殿」に宛てて送った書状で、全て漢文調で書かれている。

 意訳した内容は、「今後は(いろいろと)相談したいと思っています」「同じ考えでいていただければ本望です」「弓を一張り進呈します。いささかの気持ちまででございます」「その口(白岩氏方面)のことについてはくれぐれも頼み入ります」といったもの。

 当時の県内の歴史に詳しい山形大の伊藤清郎名誉教授(日本史、歴史民俗学)と同博物館の菅原義勝主任学芸員によると、書状が書かれたのは、明智光秀が織田信長を襲撃した「本能寺の変」があった1582年ごろ。羽黒山には当時、最高権力者「別当」の下に、各月の上、中、下旬を統括する役職「長吏」が置かれ、「下旬長吏」はその一人。別当は庄内を領有していた武藤氏一族の大宝寺氏が兼任しており、長吏は実質的なトップだった。「下旬長吏 永玄」は今回、初めて分かった存在。「白岩殿」は現在の寒河江市北部・白岩の領主だった白岩氏のこと。戦国時代の羽黒山が発給した書状で残っているものは少なく、特に領主への書状は「写し」が1点あるだけで、原本は今回が初という。

 県内は当時、最上氏が村山地方を中心に覇権を伸ばしていた。そうした中で、大宝寺氏と白岩氏が縁約を結び、最上氏がそれを好ましく思っていなかったとみられる史料がほかに見つかっており、今回の書状はそうした流れの中にあるとみられている。

 伊藤名誉教授は「羽黒山は当時、軍事力を持つ組織で、弓を一張り贈るのは意味深なこと。大宝寺氏と白岩氏の関係はあまり注目されてこなかったが、今後はもっと注目していく必要がある。本能寺の変が起きた当時、地元の領主らがどのような動きをしていたか、政治史を考える上でとても貴重な史料」とする。

 6日に致道博物館御隠殿で行われた贈呈式では、丸島准教授が「私が持っているより、本来あるべきところにある方がいい」と、酒井館長に史料を寄贈。酒井館長は「とても貴重なもの。大切にしたい」と感謝を述べた。この新史料は、来月18日(土)から同博物館で開催される「新収蔵品展」で公開の予定。

羽黒山の下旬長吏・永玄から白岩氏に宛てられた書状
羽黒山の下旬長吏・永玄から白岩氏に宛てられた書状

贈呈式後、書状を挟み記念撮影した(左から)酒井館長、伊藤名誉教授、丸島准教授=6日、致道博物館
贈呈式後、書状を挟み記念撮影した(左から)酒井館長、伊藤名誉教授、丸島准教授=6日、致道博物館


2021年(令和3年) 11月9日(火)付紙面より

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子どもたちカウントダウン ヒカリのツリー点灯 演奏・ダンスも披露 鶴岡・エスモールはXマスムード

 鶴岡市錦町のエスモール1階のヒカリの広場で6日、「ヒカリのツリー」の点灯セレモニーが行われ、会場がクリスマスムードに包まれた。来年1月4日(火)まで毎日点灯する。

 セレモニーは2年ぶりの開催。今年も同市馬場町のマリア幼稚園の年長組32人がセレモニーに参加し、多くの保護者や買い物客が会場に訪れた。

 子どもたちのカウントダウンの下、高さ約8メートルのツリーに青白い光が点灯されると、会場からは大きな歓声が上がった。その後、子どもたちはクリスマス衣装に身を包み、「ジングルベル」や「サンタが街にやってくる」など、計4曲の演奏やダンスを披露した。

 セレモニーの最後には、エスモールの従業員が扮(ふん)したサンタクロースがサプライズで登場し、子どもたちは大喜び。一人一人、早めのクリスマスプレゼントをもらい、記念撮影した。

 菅原紗來さん(6)=藤島=は「発表がうまくできて楽しかった。プレゼントももらえてうれしい」と話した。

園児たちが「サンタが街にやってくる」のダンスを披露
園児たちが「サンタが街にやってくる」のダンスを披露



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