2006年(平成18年) 1月26日(木)付紙面より
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今冬の大雪に伴う県内の死傷者が200人を突破したことが県総合防災課のまとめで分かった。記録が残っている1975年度以降、1月の同時期としては記録的なペース。2000年度の220人を上回る過去最多の人的被害の発生が懸念されることから、同課では雪下ろし作業時に注意するよう警戒を呼びかけている。
同課によると、24日までの雪下ろしや除雪作業などの事故による死者は9人、重傷が109人、軽傷が83人で、死傷者の合計は201人となった。12月の大雪で除雪作業中のけが人が急増し、昨年末までの死傷者は101人と大台に乗るハイペースだった。
庄内関係の死傷者は16人。鶴岡市が10人と多く、遊佐町3人、庄内町2人、酒田市1人と続いている。死者は1人で、今月15日に鶴岡市川代で、除雪作業中の50代の男性が屋根から落下した雪の下敷きになり死亡した。重傷が7人、軽傷は8人。
雪下ろし中に屋根やはしごから転落したケースが10人と圧倒的に多い。ほかに雪の落下、作業中の転倒などがけがに結びついた。
県内の雪害関連の死傷者は00年度の220人が最多だった。やはり大雪に見舞われ、旧立川町で3人が死亡する雪崩事故が発生している。ただ、この死傷者数は3月末までの数字で、今冬は今後も降雪が予想され、さらに死傷者が増える可能性がある。過去2番目の死傷者が出た昨冬の160人をすでに大きく上回っている。
同課によると、雪下ろし時の事故は作業終了間際の発生が多い。取り除く雪が残りわずかとなったところで転落したり、作業を終えはしごから降りる時の落下も目立ち、一瞬の気のゆるみが事故につながっている可能性も指摘されている。
26日も冬型の気圧配置が続き、降雪が予想されることから、同課では雪下ろし作業時の注意を促す一方、雪崩に対する警戒も呼びかけている。
大雪のため庄内でも各地で雪下ろし作業が行われている。事故の増加も懸念される=20日、鶴岡市上名川