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2006年(平成18年) 1月28日(土)付紙面より

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鶴岡市の櫻井さん リハビリ体験つづる 『脳卒中後遺症の明と暗』刊行へ 同じ病気で苦しむ人に「捨て鉢にならないで」

 脳出血に倒れ、リハビリ生活を送っている櫻井輝夫さん(74)=鶴岡市=が自らの体験をまとめた著書「脳卒中後遺症の明と暗」が来月1日に刊行される。前触れなく襲いかかった「雷神の一撃」により生死の境をさまよい、半身麻痺(まひ)に見舞われながら、闘病、リハビリに取り組んだ4年間の記録をつづった。自らの体験を本の中で語り、同じ苦しみに悩む人たちに「嘆かず捨て鉢にならないで」とエールを送っている。

 櫻井さんは旧羽黒町で生まれ、横須賀市で少年時代を過ごした。1945年に生まれ故郷に疎開。高校卒業前に肺結核を患い、6年に及ぶ闘病生活を経験した。復帰後、温海温泉や湯野浜の旅館などで働く一方、庄内海岸のクロマツの保護活動にも携わり、有志と庄内海岸のクロマツ林をたたえる会を結成し、初代会長に就任した。

 2001年10月、櫻井さんは酒田市で開かれた全国松原サミットに出席、レセプション会場に向かう途中、トイレで違和感を覚え転倒、市内の病院に運ばれた。西洋で「雷神の一撃」と呼ぶ、脳出血に襲われたと知らされたのは一命を取り留めた病院のベッドだった。手足を含め右半身が麻痺し、動かなかった。

 1カ月半治療を受けた後、旧櫛引町のリハビリも行う病院に転院、2年半のリハビリ生活を送った。懸命の訓練が実を結び、右足は動かないものの、右手は支えれば肩まで上がるほどに回復した。現在は鶴岡市内の介護付き高齢者住宅に住み、週に2回、病院にリハビリに通っている。

 櫻井さんは、自らを「記録魔」と呼び、闘病中も克明に日記を付けていた。利き手は動かなかったが、左手で文字を書く練習を重ね、闘病とリハビリ生活をメモにまとめていた。

 一昨年2月、以前の著書を読んだ都内の出版社の編集者に闘病記録の単行本化を勧められ、メモを全面改稿。2年近くかけてリハビリ体験記「脳卒中後遺症の明と暗」が完成した。

 著書の中で櫻井さんは、立ち上がりの訓練をやりすぎて症状を悪化させるなど、「2歩前進3歩後退」のリハビリの様子を描写している。また、「あるがままの現実を受け止められるようになってきた」と現在の心境をつづる。「いつの日か動くようになるだろうと期待は捨てていない」と「奇跡」に望みをつなぎ、体操、文字練習、歩行訓練は現在も毎日継続している。

 櫻井さんは「脳出血で生きる望みを失っている人や家族の方々のお役にたてばと思って書いた」と話している。

 B6判、143ページ。文芸社。1260円。鶴岡書店、酒田市の八文字屋みずほ店で配本予定だが、一般書店でも取り寄せできる。

リハビリ記録をつづった「脳卒中後遺症の明と暗」
リハビリ記録をつづった「脳卒中後遺症の明と暗」



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