2006年(平成18年) 2月4日(土)付紙面より
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鶴岡市は、同市覚岸寺の鶴岡バイオサイエンスパークで整備を進めている「鶴岡市先端研究産業支援センター」(鶴岡メタボロームキャンパス)の入居者を募集している。研究開発に取り組む企業に研究スペースを賃貸で提供するもので、今年4月からの貸し出しを予定している。
市では、まち全体をバイオテクノロジーのキャンパスと位置付けた「鶴岡バイオキャンパス特区」「鶴岡研究産業都市再生計画」の認定を受け、慶應義塾大先端生命科学研究所や山形大農学部などをはじめとする生命科学に関する研究活動を生かした新しい産業の集積を目指している。
集積の受け皿となる鶴岡バイオサイエンスパークには、2001年に同大先端生命科学研究所バイオラボ棟が開設。メタボロームやシステムバイオテクノロジーをはじめとする世界最先端の研究が行われている。
特にメタボローム(細胞内全代謝物)を解析する技術は世界的に注目を集め、昨年6月には世界メタボローム学会の初の国際会議が同市で開かれた。また、同大と理化学研究所が共同で植物のメタボロームに関する重点的な研究も行っている。
鶴岡メタボロームキャンパスは、バイオサイエンスパークの核となる施設。企業や大学、研究機関に実験や研究用の貸室を提供し、研究成果を産業化することを支援するもの。
計画によると、敷地面積は約1万5000平方メートル。建物全体は鉄骨造り一部2階建てで、A、B、C各棟と共用棟の計4棟で構成し、延べ床面積は約3570平方メートル。昨年5月に完成したA棟(平屋建て全3室)には、メタボローム研究のベンチャー企業が入居している。今年5月までに全棟の完成を予定する。
今回、募集するのはB棟(平屋建て全6室)。部屋の面積は73平方メートルから76平方メートルで、月額使用料は8万9000円と9万2000円。使用期間は原則5年以内に設定している。
入居対象は、高等教育研究機関と連携し、高度な研究開発や新規事業を計画している企業だが、メタボローム分野の研究を予定している企業を優先する方針。入居の申し込みは今月28日まで受け付ける。C棟(2階建て全20室)、共用棟は6月から供用を開始する予定。問い合わせは市企画調整課=電0235(25)2111内線321=へ。