2006年(平成18年) 2月9日(木)付紙面より
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県庄内総合支庁水産課は、昨年1年間の庄内の漁業漁獲状況をまとめた。総漁獲量は前年をわずかに上回る7972トンだったが、生産額はやや下回り、30億円を2年ぶりに割り込んだ。12月が荒天で出漁日が4日と限られ、終盤で数字が伸びなかった。漁獲量、生産額とも前年以上を記録した魚種はタラ、ホッケなどで、ブリ・イナダは前年の2倍以上の水揚げがあったが、生産額は前年を下回った。
総漁獲量は、11月末の時点では前年比106%だった。12月に入ってしけの日が多く、平年の半分の4日しか出漁できず、最終的な水揚げは前年の1%増の7972トンにとどまった。同様に11月末で前年比102%だった生産額も2%(5600万円)減の29億9000万円と、30億円に届かなかった。
漁業種類別の漁獲量は、底引き網漁が前年比4%増の2642トン、刺し網漁が20%増の297トン、スルメイカ一本釣り漁が6%減の2735トン。生産額は、底引き網漁が9%(1億円)減の10億100万円、刺し網漁が20%(4100万円)増の2億4000万円、スルメイカ一本釣り漁が1%(800万円)減の7億9200万円。はえなわと定置網漁は、漁獲量、生産額とも前年を上回った。かご網と採貝藻漁の漁獲量は前年並みだった。
庄内漁業の生産高は、1996年ごろまでは40億円台前後だったが、バブル経済崩壊後は高級魚を中心に魚価が低迷。漁獲量自体の落ち込みもあり、近年は30億円が生産額の高低を表すバロメーターになっている。昨年の生産額は「平年並み」に近い数字となった。
主要魚種の漁獲状況では、漁獲量、生産額とも前年を上回ったのはマガレイ以外のカレイ類、ヒラメ、タラ、ホッケ、タコ類など。タラは前年の約1・9倍、ホッケは3倍の水揚げがあった。前年に過去最高の漁獲量を記録したサケは5%の減となったが、生産額は37%の増。
一方、6月にイナダが大豊漁だったブリ・イナダは、年間漁獲量は前年の2倍ながら、生産額は90%にとどまった。タイ、スケトウダラ、ハタハタ、スルメイカなどは漁獲量、生産額とも前年以下となった。
6月は豊漁にわいたイナダの定置網漁。年間ではブリ・イナダは前年の2倍の水揚げがあったが、漁獲高は下回った