2006年(平成18年) 2月11日(土)付紙面より
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東北森林管理局庄内森林管理署(鶴岡市末広町)は、庄内海岸沿いを中心としたクロマツ国有林のマツクイムシ被害の本年度調査を終えた。まとめによると被害木を立方メートルで積算した材積量は1400立方メートルで、被害がピークだった2001年度の材積量5300立方メートルの4分の1程度まで減少していることが分かった。同管理署では「被害木の徹底した伐採管理などで沈静化の傾向がみられてきた」と話している。
同管理署によると、庄内海岸沿いのクロマツ林のマツクイムシ被害が表面化したのは1988年ごろから。その後、急速に広がり、97年ごろにはまん延した。
マツクイムシ被害は、マツを枯らす病原体のマツノザイセンチョウが、媒介昆虫のマツノマダラカミキリによって運ばれることで被害が広がる。そのため、同管理署では被害木の伐採とともにマツノマダラカミキリの薬剤駆除などを続けてきた。
ピークだった01年度の被害木の材積量は5300立方メートル。その後、管理効果で02年度4300立方メートル、03年度2500立方メートルと年々減少してきた。
本年度の被害木の材積量は1400立方メートル、被害面積は45ヘクタール、本数は1万8300本。前年度は1600立方メートル、55ヘクタール、2万2500本で、いずれも前年度より減少した。同管理署では「特に最上川以南が沈静化の傾向にあるが、まだ終息へ向かっているような状況ではない。管理の手をゆるめると再び被害が広がる可能性が高いので、今後も管理を徹底したい」と話した。そして「庄内地方における森林ボランティア活動は東北でも類を見ないほど活発。クロマツの保全や再生の活動を続けるNPOや市民団体との協力・支援で、伐採跡地への植林事業なども継続していく」としている。
庄内海岸の象徴で、延長約34キロに及ぶクロマツ海岸林