2006年(平成18年) 2月19日(日)付紙面より
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山形大農学部(鶴岡市)と県農林水産部は17日、相互の機能強化と研究発展を目的とした連携協定に調印した。食・農・環境領域を基盤とした共同プロジェクトを展開し、新たな産業の創出を目指す。
農学部と庄内地域の農家や農業団体、県の試験研究機関などはこれまでも連携を図ってきた。協定は、この関係を全県に広めるもの。農学部と県農業総合研究センター、県立農業大学校の研究者同士が、情報交換する場の設定や研究施設の相互活用などにより日常的な研究連携を促進。外部資金の活用による研究プロジェクトの誘致を進めていく。
また、農学部と農業大学校との間で単位互換制度の導入を検討するほか、県の試験研究機関への農学部の学生のインターンシップ受け入れ、県の研究者の博士号取得支援強化、人事交流なども検討していく。
組織間の合意形成を図るため、中島勇喜農学部長を会長とする連携推進協議会を設立。この協議会が、「新しい食と農と環境を創造するやまがた会議」を主催し、山形大の他学部や他大学、商工業団体などとも連携しながら、地域の特産物を活用した新たな食品の開発や、農工連携によるエコ産業の創造、未利用資源を活用した新エネルギーの創造などに積極的に取り組んでいく。
この日は関係者が出席して山形市内で調印式が行われ、中島農学部長と高橋節県農林水産部長が協定書を取り交わした。中島農学部長は「農学部にとっては画期的なこと。協定が実を結ぶよう、全身全霊で取り組みたい」、高橋部長は「県は農業の総合産業化を目指している。協定が、これを全面的に支えてくれるものと期待している」とそれぞれあいさつした。
県は、山形大全体との包括的な連携協定締結に向けた検討も進めている。
連携協定書に署名する中島農学部長(右)と、高橋県農林水産部長