2006年(平成18年) 4月13日(木)付紙面より
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鶴岡市の夏祭り「荘内大祭」の実行委員会(総奉行・井田敬治市町内会連合会長)は11日、荘内神社で本年度総会を開き、8月14、15の両日開催する大祭の概要を決めた。今年は例年15日に奉納されている黒川能(国指定重要無形文化財)を14日夜に変更し「薪能」として上演する。また、15日の大名行列では60年前まで行われていた「踊り列」の復活を予定している。
荘内大祭は、1877(明治10)年に旧庄内藩の歴代藩主をまつる荘内神社が創建されたことを記念し、市民が江戸時代の参勤交代の大名行列を再現したのが始まりとされる。当初は荘内神社祭礼とされていた。現在はお盆の帰省時期と重なる毎年8月15日に本祭が行われている。
今年の大きな変更点は黒川能を8月14日としたこと。黒川能は1945(昭和20)年を除き、大祭が始まった当初から毎年15日に同神社拝殿で奉納されていた。しかし、近年は上演時間が大名行列の出発時と重なるなどで拝殿付近が混雑することから、落ち着いて観能してもらうために日時を変更する。計画では14日午後6時ごろの開始とし、かがり火の中の薪能で幽玄の世界を演出する
。
一方、大名行列に踊り列の復活を予定する。同神社に残る第1回の大祭を記録した「荘内神社祭礼絵図」には大名行列の後ろに「踊り屋台」が描かれており、昭和10年代まで続いていたという。復活はそうした歴史を踏まえたもの。現在、市内の踊り団体と調整中だが、計画では三雪橋から行列の最後尾に加わり、同神社までを踊り歩く予定。
大名行列は昨年と同じく鶴岡公園北広場を出発し致道博物館―大督寺前―上肴町通り―鶴岡アートフォーラム―市役所―銀座通り―三雪橋―荘内神社のコースとする。総勢約400人の参加を見込む。出発は15日午後3時半を予定する。
また、行列出発前の15日午後2時からは公園北広場で、昨年初めて行われ、好評を博した庄内藩の支藩・松山藩に伝わる荻野流砲術隊と荘内藩砲術隊の演武を行う。
このほか、14日には華道遠州献花展や徳川信康公慰霊祭、歴代藩墓前祭など、15日夜は同神社表参道で盆踊り、内川の灯籠流し、川端通りでのにぎわい広場・ビアガーデンを例年通り行う。
大祭事務局の石原純一荘内神社宮司は「黒川能は、じっくりと能を楽しんでもらいたいと14日に変更させていただいた。踊り列は60年ぶりの復活と銘打ち計画している。市民のご協力で充実した祭りにしていきたい」と話している。
60年ぶりに「踊り列」が計画されている荘内大祭
2006年(平成18年) 4月13日(木)付紙面より
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鶴岡市は新年度の組織機構改革の一環として、5月1日から教育委員会を本所から櫛引庁舎に移転する。
同市では、昨年10月の合併に伴い本所勤務の職員が旧鶴岡市時代に比べ40人増員した。本所庁舎では大小の会議室4室を事務室に変更したため、会議室が不足している。また、新年度の機構改革で産業部を廃止し農林水産部と商工観光部を新たに設置、さらには中長期的に本所勤務職員の増員も見込まれている。
こうしたことから現在、本所5階の教育委員会事務局管理課、学校教育課、社会教育課を櫛引庁舎に移転することとした。旧町議会事務局など同庁舎2、3階の空きスペースに入る。本所からの距離が6・7キロと各庁舎では最も近く、新市のほぼ中心地に位置することなどから同庁舎を選んだ。
一方、本所5階の現在教委のあるスペースには、6階から監査委員室と同事務局を移すとともに会議室2室を配置。6階は選管事務局などを移動し大会議室を復活させる。
これに伴い、市は本所庁舎改修費1744万円などを盛り込んだ本年度一般会計補正予算案を18日に開かれる市議会臨時会に提案する。
5月1日から教育委員会のほとんどの機能が移転する櫛引庁舎