2006年(平成18年) 4月14日(金)付紙面より
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酒田市教育委員会は、家庭などでの消費電力量がひと目で分かる器具「省エネナビ」を市内のすべての小・中学校(30小学校、11中学校)に配布し、学校や家庭での省エネ教育に活用してもらう新事業に乗り出す。今月中には各校ごとに希望する保護者らに貸与し、本格的にスタートする予定。
省エネナビは配電盤に設置。電気の使用状況を電力量や料金、二酸化炭素排出量で表示するほか、目標を超えるとブザーで知らせる機能などがある。
市教委では、財団法人省エネルギーセンター(本部・東京都中央区)から全小・中学校用と、保護者用800個を無期限で無償貸与を受け、本年度の新規事業「省エネ共和国推進事業」として省エネ教育に活用する。
保護者向けには学校の規模の応じて2―49個を配布済み。今月中には各校ごとに希望する保護らに貸与し、学校用とともに本格的な利用が始まる。
市教委管理課では、「料金換算の表示などを目安に、省エネを図るきっかけにしてほしい。設置で消費電力量が平均30%減るというデータもある。家族の共通の話題が増えたという話もあるようだ」という。
今夏には使用している家庭を対象に、省エネルギーセンターの講師を招き、省エネ講習会を開く予定。また、年度末には各学校から報告をまとめてもらい、成果を検証する。市教委では5年程度は設置を継続したい考え。
東平田小(土門明校長、児童95人)では、学校用1台は職員室前に設置し、保護者用8台はこれから配布し、ともに今月中には使用開始予定。
同校では昨年11月から独自に省エネ対策を強化。トイレの自動水洗が夜間や休日も作動していることに気づき、止めるようになっただけでかなり節約になったという。土門校長は「子供たちは牛乳パックを集めたりなど、省エネの下地はある。省エネナビの設置をきっかけにさらに意識を高めていきたい」としている。
学校用の省エネナビ(東平田小)
2006年(平成18年) 4月14日(金)付紙面より
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鶴岡市は、JR鶴岡駅前のジャスコ鶴岡店などが入っていた「鶴岡末広ビル」跡地について、市開発公社を通じて取得する方針を明らかにした。13日開かれた定例会見で富塚陽一市長が考えを示した。昨年3月20日にジャスコ鶴岡店が閉店以来、跡地の利用が課題となっていたが、公共用地として市が管理することになった。
鶴岡末広ビルは、駅前再開発事業により1985年3月に、ジャスコ鶴岡店をキーテナントに開業した。駅前地域の中核的な商業施設の役割を担ってきたが、20年間の賃貸契約が切れる2005年3月末を機に撤退した。
同ビルの最大株主で地権者であるイオンは、撤退後の建物の取り扱いについて解体することとし、昨年11月下旬からビルの撤去工事を行っている。一方、ビル1階の区分店舗を経営する地権者については分筆返還し、更地にした後に個別に店舗を建設して営業することで同意している。
市によると、市開発公社が取得するのは、末広ビル跡地約3487平方メートルのうち、4店の区分店舗の地権者に分筆返還された土地を除く約2955平方メートル。イオン(岡田元也代表執行役)と鶴岡末広ビル(田中秋人社長)から取得する。来月中には契約締結を予定し、取得額は約1億7000万円強を見込んでいるという。
富塚市長は「現在、公共用地として取得する方針で進めている。施設建設による利用はまだ熟度が図られてなく、公園的に活用する方向で運用を指示している」と話した。
ビルが解体され、すでに更地となっている鶴岡末広ビル跡地