2006年(平成18年) 4月25日(火)付紙面より
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鶴岡市出身の小説家・藤沢周平さんの時代劇小説のモデルとなった「海坂(うなさか)藩」の情緒を楽しむ「海坂の桜小祭り」が22、23の両日、鶴岡市の内川ほっとパーク周辺で行われ、市民が内川の舟下りなどの催しを楽しんだ。
藤沢文学に登場する東北の架空の小藩である海坂藩の花見を再現し、中心市街地の活性化につなげようと、商店街関係者などが実行委員会を組織し、3年前から桜の咲く時期に開催している。
メーン会場のほっとパークには昔ながらの露店や茶席などを設け、駄菓子や団子、甘酒などを販売。江戸時代の城下町の祭り風景を再現した。
2日目は、消防署そばの「鶴園橋」からほっとパークまでの約400メートルを昔ながらの川舟で下る舟下りが行われた。
舟は、夏の「藻刈り作業」に使われる木舟を活用した。川端の桜は満開となり、家族連れたちは風流な舟旅を楽しんでいた。このほか和楽器によるミニコンサート「和の演奏会」が繰り広げられた。
家族連れなどが木舟に乗り、川下りを楽しんだ
2006年(平成18年) 4月25日(火)付紙面より
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「天性のソプラニスタ(男性ソプラノ)」として活躍する岡本知高さんのコンサートが23日、酒田市の希望ホールで開かれた。フィナーレでは県立酒田東高の生徒たちと、明るい未来への願いを込めて「旅立ちの日に」を熱唱した。
市民グループの希望ホール自主事業企画運営委員会(斎藤弘委員長)の主催。岡本さんは10年ほど前から、音楽を通じて青少年に希望を伝えたいと学校訪問コンサートを続けており、今回は酒田東高に共演を打診。2、3年生の有志52人が先月から練習を重ねてきた。
この日、岡本さんは、フィギュアスケートの荒川静香選手がトリノ五輪で金メダルを取ったときの曲として有名になったプッチーニの歌劇「トゥーランドット」の「誰も寝てはならぬ」などクラシックの名曲をはじめ、滝廉太郎の「花」、井上陽水の「少年時代」など多彩なジャンルの約20曲を披露した。
最後となったアンコールの2曲目で、酒田東高の生徒がステージに登場。岡本さんは、子供たちが関係する凶悪事件が増えている昨今の世相について触れ、「大人たちの世界が乱れている。一人一人が優しい気持ちをもつことが大切。子供たちに明るい未来をあげたい」とメッセージを述べた後、「旅立ちの日に」を歌った。「勇気を翼に込めて、未来を信じて旅立とう」という熱い合唱がホールに響き、会場を埋めた聴衆からは一層大きな拍手が送られていた。
「旅立ちの日に」を歌った岡本さん(中央)と酒田東高の生徒たち