2006年(平成18年) 5月11日(木)付紙面より
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朝日村商工会(伊藤昭一会長)は9日、地元の鶴岡市朝日地区の旅館や飲食店と連携して開発した「さと山春の御膳」の発表会を同市上名川の米の粉の滝ドライブインで開いた。御膳は同地区の協賛9カ所で、今月13日から提供を始める。
同商工会は、地域活性化を目指して六十里越街道の観光振興に取り組むとともに、「里山の食文化」を広くPRしようと、昨年7月から朝日産の食材を使った料理の開発を進めてきた。同10月にマイタケやナメコなど旬の味覚を使った「さと山秋の御膳」を発表し、好評を得た。
今回の「春の御膳」は地元で採れた山菜が中心。食前酒には月山ワインまたは山ぶどうジュースが出され、コゴミや山ウド、タラノメなどの料理を提供するもので、地区内の飲食店や民宿、旅館、ドライブインなど9カ所が協賛する。
「旬の山菜を盛り込む」「ワインなど地区の特産品をメニューに入れる」などは共通しているが、協賛各店がそれぞれ趣向をこらしたメニューを考案している。料金は1人前2500円(税込み)で統一した。
この日の発表会には商工会や協賛各店関係者など約20人が出席。鶴岡市朝日庁舎の渡部芳勝産業課長が「朝日地区で育った旬の山菜を使い、すばらしいメニューになった。山菜は健康にも良く、各店が工夫した料理を多くの方に楽しんでもらいたい」とあいさつ。
試食ではウルイやコゴミ、ミズナなどを使った「山菜サラダ」や「山菜すし」、イワナやタラノメ、シドケなどの「山菜てんぷら」など、朝日産の食材を使った11品が並び、米の粉の滝ドライブインの田中博邦支配人が各料理の説明を行った。田中支配人は「山菜の採れる時期が違うので、メニューに多少の変更が出ると思うが、常時7、8種類は盛り込める」と話した。
協賛店は同ドライブインのほか、朝日屋(大鳥)、青嵐舎(同)、滝太郎あさひ(下名川)、古の里大梵字(越中山)、田麦荘ななかまど亭(田麦俣)、ヒュッテ六十里(同)、湯殿山ホテル(同)、瀧水寺大日坊(大網)の9カ所で、いずれも要予約。御膳は各店とも昼食が中心だが、夕食の相談に応じる。御膳の販売期間は来月25日まで。
問い合わせは朝日村商工会=電0235(53)3580=、または同市朝日産業振興センター内あさひむら観光協会=電0235(53)2111=まで。
朝日地区の旬の味覚・山菜を使った「さと山春の御膳」
2006年(平成18年) 5月11日(木)付紙面より
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酒田市の東北公益文科大(小松隆二学長)は、学生たちの地域活動を支援する「地域共創センター」を、隣接の市公益研修センター多目的ホール2階に開設した。専門のコーディネーターを配置し、地域に繰り出して活動をしたい学生たちの拠点、逆に学生たちの力を借りたい地域住民の相談窓口などとして、大学と地域を結び、「公益」の理念に基づく「大学まちづくり」を推進していく。
同大学では2001年4月の開学以来、庄内全域をキャンパスに見立て、学生たちが地域に繰り出して福祉マップづくりや祭りへの参加など多彩な活動を繰り広げながら、地域住民とともに学び合っている。
センターはそうした活動の拠点として、学内で数年前から構想。今年3月に多目的ホールが完成したのを機に、今月1日、2階の1室(約20平方メートル)に開設した。
センターには常駐スタッフの「共創コーディネーター」1人を配置。学生たちの地域活動や地域住民のボランティア活動の要望などの情報を収集し、すり合わせしていく。
運営体制としては、スタート時は大歳恒彦学部長をセンター長に、教授陣がセンター委員となって支援。今後は学生や地域住民も委員に加え、「センター会議」などを設けて運営したい考え。
将来的には同大学の公開講座「フォーラム21」の企画・運営、多目的ホールの貸し館業務など、大学と地域をつなぐ多彩な仕事を手掛ける方針。
共創コーディネーターの栗原穂子さんは「これまで大学がやってきた地域向けの活動を整理しながら、学生、地域住民双方にとっての窓口になりたい」と話している。
すでにセンターの「常連」となっているラジオサークル「オーシャンズ」代表の柴田大輔さん(20)=3年生=は「学生たちの『何かやりたい』という気持ちを形にしてくれる場所」、ボランティアクラブ代表の木村玄太さん(20)=同=は「地域の要望は多いが、今後はうちだけでなく他の学生にも協力してもらえそう」と期待を語っていた。
学生らが集まり、運営の在り方などを話し合っている地域共創センター