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荘内日報ニュース
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2006年（平成18年） 5月20日（土）付紙面より
ツイート“自転車図書館”で全国巡回 貸し出す本は「百年の愚行」
自転車に本を積んで自らが「図書館」を運営、全国を巡回している土居一洋さん（27）が18日、鶴岡市の荘内日報社本社を訪れた。
土居さんは徳島県鳴門市の出身。高校卒業後、愛知県岡崎市内に就職した。一昨年3月、帰宅途中に立ち寄った書店で戦争や環境破壊などを扱った写真集「百年の愚行」を手に取り、「20世紀が破壊と殺りくの時代と知って」大きな衝撃を受けた。数日後、その書店にあった3冊をすべて購入。「思いを共有したい」と2冊を友人に貸し、残る1冊を繰り返し読んだ。
「多くの人に見てもらいたい」との思いに駆られ、近所の公立図書館に置いてくれるよう掛け合ったところ熱意が通じた。その後、「百年の愚行」が月に3人のペースで貸し出されていることを知り感激、目は「全国」へと向いた。
会社を辞め昨年1月、自転車による公立図書館巡りをスタートさせた。その後、「自分が図書館になればいい」と思い立ち、自分が感動した本を手製の水車型トレーラーに積み、行く先々で人々に読んでもらう「自転車移動図書館」を開設。「いつか自分の元に返ってくればいい」と自腹で購入した本を無償で貸し出している。200冊あった蔵書は現在30冊余りになった。
愛知県を皮切りに始まった図書館行脚で訪れた施設は790カ所を数え、7道県で全市町村の施設を回り終えた。庄内では酒田市と鶴岡市を訪れ、「百年の愚行」を置いてくれるよう直談判。酒田市立図書館では「注文したい」と前向きな回答が得られ、鶴岡市立図書館はすでに蔵書に入っていたという。
土居さんは鶴岡市の櫛引、朝日、温海の各地区の図書施設を訪れた後、新潟県入りする予定。「河原や公園にテントを張ってキャンプしながら全国を旅している。2年以内に全国の図書館を回り終えたい」と抱負を語った。
自転車の後ろに手製の水車型トレーラーを積み、全国行脚中の土居さん
2006年（平成18年） 5月20日（土）付紙面より
ツイート市民憲章など決まる 20日付で制定、周知へ
新生・酒田市の市民憲章と市の木、市の花、市の鳥が決まり、20日付で制定・告示される。市民憲章は自然や歴史、文化などを尊重するとともに、港町・酒田として「世界に開かれたまち」を目指す内容。市の木は屋敷林などとして親しまれてきた「ケヤキ」、市の花は旧市の花でもあった「トビシマカンゾウ」、市の鳥は国の天然記念物で旧八幡町の鳥でもあった「イヌワシ」とした。市の広報やホームページ、封筒、ポスターなどに印刷し、周知を図っていく。
いずれも合併協議の中で、「新市で制定する」としていた。このうち市民憲章については、今年2月に有識者による「市民憲章に関する懇談会」（座長・間瀬啓允東北公益文科大大学院研究科長）を設置。3月まで3回にわたる会合で、旧4市町の憲章などを踏まえて練った案を、市の木などの候補とともに今月1日付の市広報で公表。市民の意見を聞いて、修正した。
前文には鳥海山や最上川、日本海、庄内平野という自然環境を掲げ、▽美しいまち▽元気なまち▽ぬくもりあるまち▽豊かなまち▽世界に開かれたまち―の5本の柱で市民が目指すまちづくりの方向性を示した。
一方、市の木、市の花、市の鳥は、旧4市町の制定状況や、合併によって海、平野、山と多様になった自然環境などを踏まえ内部で検討していた。
市の木・ケヤキは、この土地本来の樹種の一つで古くから屋敷林などとして親しまれ、平野のイメージとして選ばれた。
市の花・トビシマカンゾウは、名称、植生とも市独特で、清そで美しく、丈夫で、海をイメージするというのが選定の理由。
市の鳥・イヌワシは、食物連鎖の頂点に位置し、豊かさや自然を象徴し、山のイメージで選ばれた。
20日は正午前、市役所駐車場で、酒田まつりの「式台の儀」に先立ち、泉小の児童6人が市民憲章などを書いたパネルを除幕する予定。
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