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2006年(平成18年) 5月25日(木)付紙面より

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筆甫の阿弥陀堂 天井画を制作 柳本さん地元で展示会

 鶴岡市関川在住の柳本栄子さん(56)が、宮城県丸森町の筆甫(ひっぽ)という集落に再建された阿弥陀堂の天井画の製作に取り組んでいる。長野県在住の知人女性との共同作業で、数年がかりで仕上げる予定だ。途中過程を知ってもらおうと、26日から鶴岡協同の家こぴあ2階ギャラリーで展示会を開く。

 丸森町とは縁のなかった柳本さんが天井画を引き受けることになったのは、30年来の知人という長野県松本市在住の近藤泉さん(55)がきっかけ。雑誌の挿絵などを手掛ける傍らライターとして全国各地を取材で歩き回っていた近藤さんが、交流のあった筆甫地区の住人から依頼を受け、柳本さんを共同作業に誘った。

 柳本さんによると、筆甫地区では30数年前に阿弥陀堂を消失。一昨年秋に地区内の17軒の有志が寄付金などを募り、地元材を切り出すなどして再建したという。内部は8畳ほどの広さ。昨年1月に近藤さんとともに現地を訪れた柳本さんは、「人々が心を合わせて大切に守るものに描かせてもらえるなんて」と心を決めた。

 天井画は、40センチ四方のモミの木の板を縦横8枚ずつ敷き詰めた計64枚分。12枚分は干支、残りは花や植物を描くことにし、2人がそれぞれ作業をスタート。もともと仏堂を見て回るのが好きだったという柳本さんは、庄内や県外の寺院を訪ねて勉強しながら、身近な植物をスケッチするなどして描き始めた。

 これまで2人分、合わせて20枚が完成した。日本画の手法で岩絵の具を使って描かれた天井画は、カタクリやミズバショウ、ボタン、ヤマボウシなどを題材に女性らしい繊細な作品となっている。展示会は、「完成して天井にはめてしまう前に、こうした取り組みを少しでも知ってもらえたら」(柳本さん)と、鶴岡と近藤さんが住む松本市での2カ所で開く。

 柳本さんは「昨年秋に出来た一部を筆甫地区の人たちに見てもらったらすごく喜んでもらえた。後々まで残る責任ある仕事だがとても楽しい。こんなことをしているというのを多くの人に知ってもらえたら」と話している。展示は入場無料。期間は30日まで。

完成した天井画の一部と柳本さん
完成した天井画の一部と柳本さん


2006年(平成18年) 5月25日(木)付紙面より

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「藤沢周平記念館」の基本構想 “起点”施設目指す

 鶴岡市は、同市出身の作家、故藤沢周平さんの業績と貴重な文学資料を後世に伝える「藤沢周平記念館」(仮称)の基本構想をまとめ、23日、公表した。庄内全体を「藤沢文学」のミュージアムととらえ、藤沢さんを育て作品の土壌となった庄内の多様な文化に触れ、理解を深める“起点”となる施設を目指している。

 市教育委員会はこれまで、遺族が所蔵している5000点に上る関係資料の調査を続けてきた。一方で、昨年秋には遺族や研究者、出版社、地元関係者などで構成する開設準備委員会を設置。記念館の方向性や内容、コンセプトなどについて協議を進めてきた。

 基本構想によると、記念館の在り方として『「藤沢文学」の探求』と『文学を育み、作品に描き出される文学性の探求』の2つを基本方針とする。方向性として▽業績を末永く顕彰▽作品への深い理解と藤沢さんの心根に触れる▽鶴岡・庄内の文化、精神性を広く発信▽研究者や一般市民の研究・学習活動のサポート▽作品を読み、語らう交流の場―を示し、藤沢さんの人間性を含め、藤沢性を探求する際に“道案内”の役割を果たす施設と位置付けている。

 建設地は、鶴岡公園内の大宝館北側の郷土資料館が建つ敷地(約1300平方メートル)を予定。施設面積は700―1000平方メートル規模を想定し、交流サロン、常設展示室、企画展示室などを設ける。

 展示内容は、藤沢さんの書斎の再現や執筆活動に使った参考文献や直筆の原稿、遺品などを構想。藤沢作品や関連書籍を集めた文庫を常設し、藤沢さんが好んだコーヒーを飲みながら、ゆったりと読書を楽しめるコーナーの設置も考えられている。

 本年度一般会計当初予算に記念館整備事業として857万円を計上、本年度内に基本計画を策定し具体的な設計を進める。着工は没後10年にあたる07年内を見込んでいる。



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