2006年(平成18年) 5月5日(金)付紙面より
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酒田市飛島の海岸で、公募ボランティアらが漂着ごみを回収する「飛島クリーンアップ作戦」が27日、行われる。実行委員会(実行委員長・八柳宏栄NPO法人庄内海浜美化ボランティア代表理事)は8日から、公募ボランティアの参加を受け付ける。
飛島は豊かな自然環境に恵まれている一方、プラスチック類を中心とした漂着ごみが年々増え、高齢化・過疎化もあって島民だけでは回収が困難になっている。このため県や市、地元のNPO、東北公益文科大、酒田海上保安部などが実行委員会を作り、2001年度から毎年、回収作業を行っている。
6回目の今年は、公募100人と島民を含め、計約250人態勢で西海岸の漂着ごみを回収する。
当日は、午前7時から酒田港定期航路事業所前で受け付けし、同8時から開会式。同8時45分に定期船ニューとびしまで酒田港を出発し、同10時15分に飛島に到着。すぐに西海岸に移動してクリーン作戦を行い、午後4時に飛島を出港、同5時半に酒田港に戻る。
公募ボランティアの参加費は、2000円(飛島までの往復船賃、保険料、昼食代)。申し込みは8日午前10時から、事務局の庄内海浜美化ボランティア=電0234(26)7162、ファクス同(34)6020=へ。応募できるのは高校生以上で、グループは5人まで。先着順に100人まで受け付ける。問い合わせは事務局へ。
飛島の活動は、03年の「離島ごみサミットとびしま会議」が、04年に長崎県、05年に島根県での「島ごみサミット」に発展するなど、全国の離島ごみ問題のけん引役となっている。また、参加者が活動経費の一部を負担する「参加費を払うボランティア」は、地域住民の公益的活動の典型として全国的にも注目されている。
2006年(平成18年) 5月5日(金)付紙面より
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庄内三大祭りのトップを飾る「酒田まつり」を前に、酒田市の酒田青年会議所(JC、佐藤昌則理事長)は、20日の本祭りで引き回す「山鉾(やまぼこ)」5基の製作を進めている。酒田JCはこれまで山鉾の製作や展示、保管の場所に苦労していたが今回は、県から同市船場町二丁目の県港湾事務所1階車庫の提供を受け、心おきなく作業できることになった。5日と7日は、同車庫で見学会も開かれ、自由に製作現場を見て回れる。
山鉾は、酒田まつりが「山王まつり」と呼ばれていた江戸時代中期、山車行列の主役を務めており、各町単位で大きさと豪華さを競っていた。最盛期には高さが20メートルに達したものもあったとされ、最上川の対岸からも見物できたという。電線が張り巡らされた1906年に姿を消した。
酒田JCは「かつての祭りのにぎわいを取り戻そう」と、創立30周年記念事業の一つとして1997年、90年ぶりに山鉾を復活させた。
今年、復活から10年が経過、また酒田JCが創立40周年を迎えたことから2つの節目を記念し「にぎわいのある酒田まつりの創造」をテーマに、酒田JC酒田まつり振興委員会(佐藤和明委員長)が中心となり、2002年から5カ年計画で祭りの核となる山鉾5基の製作を進めてきた。いずれも北前船や初代の酒田灯台など酒田の歴史や名所をあしらったもので、設計などを経て昨年夏から組み立て作業がスタートした。
この取り組みに県は今回、歴史や文化の伝承につなげてもらおうと、同事務所1階車庫を酒田市に提供。そして同市から酒田JCが借り受けた形。また、大勢の観光客から山鉾の製作過程を見てもらうことで、酒田港本港地区のにぎわい創出につなげようと、見学会も企画した。
製作現場の同事務所車庫には連日、JCメンバーが訪れ、組み立て作業が急ピッチで進められ、かなづちの音が響き渡る。JCメンバーの一人は「山鉾製作はこれまで、屋外でビニールシートをかぶせながらやってきた。祭り終了後の保管場所にも困っていた。ここなら屋根もあり最適」と笑顔ものぞかせている。
見学会は5、7の両日で、時間は5日が午前11時から午後3時まで、7日は午前10時から午後5時まで。
県港湾事務所1階で製作が進む酒田JCの山鉾