2006年(平成18年) 6月1日(木)付紙面より
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酒田市の県立産業技術短期大学校庄内校(赤塚孝雄校長)の宿泊研修が、30日から1泊2日の日程で遊佐町の県海浜青年の家で開かれた。学生たちが互いに交流を深めたほか、初日午後にはボランティア活動に汗を流した。
学内では得がたい集団宿泊生活・体験活動を通し学年を超えた交流を深めるとともに、心豊かな人間性を身に付けてもらおうと、同校では毎年この時期、同青年の家を会場に全学生を対象にした宿泊研修を行っている。
初日午前は開会行事に続き野外炊飯。午後からは、2年生は就職セミナーとして荘内日報論説委員の水戸部浩子さんの講演を聴講、1年生はボランティア活動に汗を流した。
このうち1年男子は同青年の家近くの西浜海岸で清掃活動を行った。曇り空で心地良い風が吹く中、2人1組となって散乱しているペットボトルやたばこの吸い殻、空き缶、流れ着いたとみられる流木など次々と拾い集めていた。手にしたごみ袋は開始早々に満杯状態。学生たちは「全然減らない」など話しながら懸命に作業していた。2日目の31日は、スポーツ活動を行い、交流を深めた。
懸命にごみを拾い集める学生たち
2006年(平成18年) 6月1日(木)付紙面より
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鶴岡市の長沼温泉「ぽっぽの湯」を運営するふじの里振興は本年度、併設する農産物直売所の新たな特産品開発として、健康野菜として脚光を浴びている新食材「マコモダケ」の本格的な栽培に取り組む。カリウムを豊富に含み、くせがなくさまざまな料理に活用できるヘルシー食材として首都圏の有名レストランでも利用されているマコモダケ。秋には収穫したマコモダケを使った料理を施設内の食堂で提供するとともに、直売所の名物として販売していく。
マコモは東アジア原産のイネ科の多年草で、日本でも河川沿いなどに自生する。食用として改良され、中国揚子江流域で多く栽培されてきた。稲のように水田で栽培し、夏過ぎには2メートルほどの背丈まで成長する。茎の根元部分がタケノコ状に肥大したものが「マコモダケ」として食べられている。
長さ20―30センチ、太さ3―4センチほど。歯ざわりはタケノコとアスパラガスの中間の軟らかさで、アクがなくほのかな甘みがある。カリウムを豊富に含んでいることから血圧を下げるなど健康食材としても注目されている。
転作しやすく、病気の発生も少ないというメリットもあり、すでに長野県や富山県、宮城県などの生産グループが転作栽培に取り組んでいる。
ぽっぽの湯は昨春、長野県のマコモ栽培研究会から苗を株分けしてもらい、ぽっぽの湯直売所利用組合のメンバーが水田で20数株を試験的に栽培した。10月には収穫したものを直売所に展示するとともに試食会を開き、施設利用者にPRした。
本年度は5月中旬までに同利用組合のメンバー2人の水田に計約160株を苗植えした。一株から10―20本の収穫を見込んでいる。
収穫期には、直売所の新たな特産品として販売するとともに、同施設内の食堂で季節限定ヘルシーメニューとして、マコモダケづくし料理「マコモだけ膳」を提供する予定。また、10月に開かれる地産地消サポーター交流会「庄内うんまい!ネットワーク交流会」にも出品し広くPRを図っていく。また、マコモダケを通年利用できるように加工や貯蔵方法の研究開発を県にも要望している。
ぽっぽの湯の板垣久喜支配人は「地元シェフからも食材として使いたいと要望がきている。食感を生かした料理を考案し、家庭でも食べてもらえるようにPRを図っていく。ぜひ地域の特産物に育てていきたい」と期待を膨らませている。
水田に植えられたマコモダケの苗。転作作物としても注目