2006年(平成18年) 6月12日(月)付紙面より
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10日午後3時40分ごろ、鶴岡市日枝の飲食店を兼ねた住宅で、「息子が包丁で刺された」と110番通報があった。鶴岡署員が駆けつけたところ、この家の長男で私立高校3年、相馬祐利君(17)が血を流して倒れていた。同日午後6時10分、祐利君の死亡が確認された。同署は父親で飲食店経営、相馬勇容疑者(48)を殺人未遂容疑で逮捕した。相馬容疑者は、犯行動機について「離婚を巡るトラブル」と供述しているが、内容が一貫しない部分もあり、慎重に調べを進めている。
調べによると、相馬容疑者は飲食店と棟続きの自宅1階のダイニングルームで、全長25センチ(刃渡り14センチ)の包丁で、祐利君の背中と腹数カ所を刺した疑い。犯行当時、ダイニングには相馬容疑者と祐利君の2人きりだった。2階にいた相馬容疑者の妻(44)が悲鳴を聞きつけ、110番通報した。相馬容疑者は犯行後、1人で自宅を出て鶴岡署に出頭、犯行を認めた。
これまでの調べに対し、相馬容疑者は離婚話が犯行の引き金になったと供述している。犯行当日の午前中、妻に離婚を持ち出され、「当てつけのため妻ができ愛していた息子を背後から刺した」という趣旨の供述をしている。離婚話に祐利君は口出ししていなかったという。相馬容疑者の供述内容にあいまいな部分があり、同署で殺害に至った経緯について詳しく調べている。相馬容疑者は「ばかなことをしてしまった」と犯行を悔やむ供述をしているという。
相馬容疑者が経営する飲食店「ごはん処いなほ」は事件の日、昼食時間は通常通り営業し、事件当時は休憩中だった。
祐利君の死因は11日の司法解剖の結果、肺に刺し傷が達したことが原因の外傷性血気胸と判明した。
同署は12日午後、容疑を殺人に切り替え、相馬容疑者を地検鶴岡支部に送検した。