2006年(平成18年) 7月25日(火)付紙面より
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鶴岡市出身の絵本作家・土田義晴さんの創作活動の歩み、庄内での交流活動などを広く紹介する「つちだよしはるサンと!?絵本作家つちだよしはるの世界?」展が鶴岡アートフォーラムで始まり、初日の22日から、大勢の家族連れが訪れた。来月20日までの期間中、サイン会やおはなし会など多彩なイベントが行われる。
土田さんは1985年に森山京さんの文に絵を描いた「きいろいばけつ」(あかね書房)で絵本作家として本格的に活動を開始、これまでに300冊以上の絵本を出版している。
初日は、午前中にオープニング公演として朝暘一小の5年生が土田さんの作品「このはのおかね、つかえます」の劇を披露した。午後に「かべに絵を描こう」と題したイベントが行われ、小学生を対象に募集した30人が参加。館内のギャラリーを活用し、巨大壁面に白い段ボールを張ったキャンバスに土田さんと一緒に筆やペンなどで自由にお絵描き。児童たちはカブトムシやウサギなど思い思いの絵を描き上げていた。
児童たちが土田さんと一緒に巨大壁面のキャンパスに自由に絵を描き上げた
2006年(平成18年) 7月25日(火)付紙面より
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鶴岡藤沢周平文学愛好会の公開講座「藤沢周平の短編を語る」が23日、鶴岡市勤労者会館で開かれた。市内を中心に県内外から参加した藤沢ファン約150人が、新たに見つかった短編群に関する講演や対談で藤沢ワールドに浸った。
冬の寒梅忌と並ぶ同愛好会の恒例行事。第1部では、同会顧問で藤沢文学研究の第一人者・松田静子さんが「藤沢周平“幻の短編”庄内藩から海坂藩への道すじ」と題し講演した。最近、新たに見つかった無名時代の短編14作品の概要について解説するとともに、「たそがれ清兵衛」の山田洋次監督、木村拓哉主演で12月に公開予定の映画「武士の一分」の原作「盲目剣谺返し」の世界を紹介した。
松田さんは講演の中で「新たに見つかった昭和37―39年の短編14作品のうち6、7作品が庄内を描いたもので、すでにこの時から庄内藩の藩士の物語を書いていたことが分かった。昭和50年ごろまで庄内藩を描いていたが、その後、庄内藩をモデルとした海坂藩に移行した。庄内藩をそのまま使っては事実とフィクションの狭間で小説の世界が限られてしまうからでは。理想郷『海坂藩』で、人間が暮らしている藩の世界を描いたのではないか」と解説した。
第2部では、郷土史家の前田光彦さんが「幻の短編14作品から『残照十五里ケ原』の背景を探る」をテーマに、短編の時代背景などについて紹介し、後半は松田さんと対談した。
大勢の藤沢ファンが詰め掛けた鶴岡藤沢周平文学愛好会の公開講座