2006年(平成18年) 7月9日(日)付紙面より
ツイート
酒田市飛島特産のジャガイモ「ごどいも」を使った焼酎(しょうちゅう)飛島」が完成した。市内の酒販店グループの庄内酒彩倶楽部(池田吉伸会長、加盟7店)が昨年に続いて作ったもので、改良によってさらに豊かな風味に仕上がり、出席者たちからは「おいしい」と好評だった。今月17日から加盟店や飛島の酒販店で発売開始の予定。
庄内酒彩倶楽部は地元の食材を生かした特産品開発や地域の活性化を目的に03年に結成。04年からは同市特産の和ナシ「刈屋ナシ」を使ったワイン「梨のミューズ(女神)」、昨年からごどいも焼酎と、地元の農産物を使った酒を作って話題を呼んでいる。
今回は、庄内みどり農協青年部北平田支部のメンバーらによる「ごどいも食べさせ隊」(富樫悟会長、会員13人)が飛島で育て昨夏に収穫したごどいも660キロを譲り受け、今年2月から新潟県新発田市の「金升酒造」に依頼して仕込んでいた。
昨年はイモの保存がうまくいかず、100キロ程度しか仕込めず、完成した焼酎もアルコール度数25度、500ミリリットル入りで400本ほどだった。今年は醸造タンクが一杯になるイモを確保し、低温で手厚く保存。もろみ用のコメは地元産のはえぬき500キロを使い、昨年と同様に「鳥海三神の水」と呼ばれる遊佐町吉出・三の俣の湧水を割り水に使って原酒を薄めた。
完成した「飛島」はアルコール度数25度、500ミリリットル入りボトルで1500本。昨年は通常の蒸留方法として、効率を重視して減圧したのに対し、今年は風味を残すため減圧しなかったなど、製造工程でも多面的な改良を加えたという。
6日に市内で開かれたお披露目の会には、齋藤弘県知事やごどいも食べさせ隊の関係者ら約40人が参加。季節の料理を肴に、ロックや水割りにして心行くまで堪能した。
齋藤知事は「イモ焼酎はにおいがきつく、味もピリピリしているイメージがあったが、これはまろやかで、イモの豊かな風味があり、とてもおいしい。地元の産物の付加価値を高める良い例で、地元農業の活性化に期待」と期待を寄せていた。
庄内酒彩倶楽部の池田会長は「昨年より風味がよく、まろやかに仕上がった。今年もごどいもを確保し、また仕込みたい」と話した。
「飛島」は1本1500円(税込み)。問い合わせは庄内酒彩倶楽部事務局の武田庄二商店=電0234(22)6331=へ。
完成したごどいも焼酎「飛島」
2006年(平成18年) 7月9日(日)付紙面より
ツイート
災害支援ボランティアネットワークの推進に関する研修会・意見交換会が7日、酒田市公益研修センター多目的ホールで開かれ、庄内地方の防災、ボランティア団体の関係者らが被災地でボランティア活動の拠点となるボランティアセンターや連携の在り方などについて学んだ。
この研修会は、今年5月に県や県社会福祉協議会、日本青年会議所山形ブロック協議会、日本赤十字社県支部などで結成した県災害支援ボランティアネットワーク運営連絡会(会長・岸清美県県民文化課県民活動推進室長)が主催した。災害時に救援や復興活動に威力を発揮するボランティアの在り方について、県内4地区ごとに研修するもので、庄内会場はその初回。約100人が参加した。
主催の構成団体の関係者らが講師となり、講話で、災害時のボランティア活動の実態や課題、被災地でボランティアの受け付けや作業の割り当て指示などを行うボランティアセンターの立ち上げ方などを解説した。
このうち県県民活動推進室の安孫子義浩さんは04年10月の岐阜県飛騨地区の台風災害で、ボランティアセンターを設置して大勢のボランティアを受け入れた高山市と、センターを設置せず県職員が細々と支援した飛騨市では復興スピードに大きな差が出た例などを紹介。「センター設置が早期復旧のかぎにもなる」とセンターの重要性を指摘した。
県では、今年3月に県などが策定した県災害ボランティア活動支援指針に基づき、ボランティアセンターを設置する訓練なども各地で展開していく方針。
ボランティアセンター立ち上げなどについて学ぶ参加者たち