2006年(平成18年) 8月19日(土)付紙面より
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東京税関酒田税関支署は、終戦後の混乱期に外地からの引揚者たちから預かり保管しているお金や証券などを返還しており、遺族を含め、心当たりのある人の申し出を呼びかけている。
戦後間もない日本では経済が混乱していたため、引揚者が通貨や証券などを持ち込むのを制限。横浜や長崎、舞鶴港などの税関や海運局で預かったほか、旧満州などで治安上の問題で在外公館や日本人自治会で預かったものについても税関が引き継いで保管している。
全国で保管した件数は1953年8月時点で、約44万人の約134万件。国内経済の安定に伴って同年9月から返還しているが、2005年末現在、まだ約26万人の87万件が返還されずに残っている。金銭的な価値は低くなったが、当時の思い出の品や、遺族が形見として受け取るケースもあるという。
酒田支署によると、本県関係といったまとめはしていないが、相当数はあるとみられている。
当時の預かり証があれば確実に対応できるが、紛失した場合や、本人が亡くなった場合でも調査は可能という。「親からそんな話を聞いたことがある」といった程度の話でも、気軽に問い合わせてほしいという。心当たりのある人は同支署=電0234(22)1024=へ。
税関が預かった証券類
2006年(平成18年) 8月19日(土)付紙面より
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酒田市飛島に通って特産のジャガイモ「ゴドイモ」を育てている市内のグループが16、17の2日間かけ、収穫したゴドイモを市内の保育所や老人福祉施設など計31カ所に寄贈した。
寄贈したのは、市内の農家や公務員OBら5人でつくる「飛島荒廃地開拓協力隊」(住石伸代表=同市大町、農業)。高齢化などで飛島の農地が荒廃していくのを見兼ね、島の振興に一役買おうと昨年から島の畑を借りてゴドイモを育てている。昨年は約500キロを収穫。今年は約15アールの畑を借り、4月上旬に種イモを植え、先月31日から今月2日まで2泊3日にわたり約1500キロを収穫した。
保育所などへの寄贈は、「子供たちにおいしいゴドイモを食べてもらい、飛島を宣伝したい」(住石さん)と企画。メンバーに市社会福祉協議会の高橋力常務がいる縁で、同協議会を通じて呼びかけ、市内の保育所28カ所、老人福祉施設2カ所、障害者福祉施設1カ所に各15キロ程度を贈った。
16、17の両日、各施設の関係者が市社会福祉協議会に取りに行き、持参の段ボール箱にゴドイモを分けてもらった。保育士たちは「さっそく給食のカレーに入れて子供たちに食べさせたい」など喜んでいた。
残りのゴドイモ約1トンは、Aコープに買い取ってもらい、店頭に並んでいるという。住石さんは「飛島への船賃などがかかり、採算では赤字だが、島に行って汗を流し、おいしい酒を飲み、島の景観美化や振興に役立てればそれでいい。レジャーとボランティアを兼ねた市民農園的な感覚。そんなグループがもっと増えればさらに島の振興につながるのでは。小学生らの収穫体験にも協力したい」と話していた。
ゴドイモをもらって大喜びの保育士ら(右3人)。左は協力隊メンバーの高橋さん=16日