2006年(平成18年) 8月2日(水)付紙面より
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鶴岡書道会(酒井忠治会長)の夏季書道練習会が1日、鶴岡市立朝暘第一小学校で始まり、幼児から高校生まで約200人が練習に励んでいる。
練習会は「書道王国・庄内」の基礎を築いた書家、松平穆堂(まつだいら・ぼくどう、1884―1962年)が、鶴岡高等女学校(現鶴岡北高)で書道を教え始めたのをきっかけに、多くの市民に書道の練習の場を提供しようと、1933(昭和8)年に始まった。今年で73回を数える夏休みの伝統行事。
1日から5日間の日程で、旧市内を中心に幼児から高校生まで、普通部に150人、大字部に50人の合わせて約200人が参加。最終日の5日に清書を提出する。体育館の大字部会場では参加者が「水のおと」「大きい波」「元気に泳ぐ」などの手本を参考しながら同書道会メンバーから筆の握り方や、手本の位置などアドバイスを受け、静かに筆を走らせていた。
参加者が提出した作品の中から審査会で特別賞などを選び、全員の作品を今月8日から10日まで同校体育館で展示する。
先生から指導を受け真剣な表情で書道の練習に励む子供たち
2006年(平成18年) 8月2日(水)付紙面より
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鶴岡市小岩川の土砂崩れの影響でJR羽越本線が不通となっている問題で、JR東日本新潟支社は7月31日、現場の応急復旧工事の見通しが立ったことから、9日午後から運転を再開すると発表した。地元では「何とかお盆に間に合ってよかった」と、帰省客や行楽客が増加するお盆を前にしての運転再開に安堵(あんど)している。
同支社によると、応急工事では線路の土砂の撤去作業とともに、斜面上部を削り平らな場所を設置、さらに斜面を金網で覆ってモルタルを吹き付ける。さらに、斜面と線路の間に高さ3メートル、長さ64メートルにわたる防護柵を設置した後、レールの敷設、電線設備を整える。
安全対策として、土砂崩れ検知装置と運転士に危険を知らせる特殊信号発光機を設置。完全復旧までの期間は現場の約100メートル区間を時速45キロ以下で徐行運転する。
9日は試運転を行った後、上りは午後3時52分酒田発特急「いなほ12号」、下りは同4時3分村上発普通列車から、それぞれ運転を再開する。
運転再開の見通しが立ったことで、羽越本線新幹線直通促進庄内地区期成同盟会の富塚陽一鶴岡市長は「区間運休が長引くことで、地域の社会経済全体に大きな影響がでると心配していた。お盆前の復旧に安堵している。羽越本線で度重なる事故、災害に見舞われた。安全運行に万全を期すようJR東日本をはじめ関係機関に要望したい」との談話を発表した。
製品輸送をJRからトラック輸送に切り替えて対応していた鶴岡市の水澤化学水沢工場の輸送担当者は「これまで復旧の見通しがはっきりしない中でトラックの手配をしていた。長期化を懸念していたが、めどが立って安心している」と話した。
また、あつみ観光協会の本間儀左衛門会長は「国道に続いてJRの再開も決まり、“ふた安心、み安心”という気持ち。今後は官民挙げて羽越本線が元気に回復したという情報を発信し、この影響を長引かせないことが大切」と話した。
9日の運転再開に向け、急ピッチで応急工事が進められている土砂崩れ現場=1日午前8時ごろ、鶴岡市小岩川