2006年(平成18年) 8月23日(水)付紙面より
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第28回「みんなですすめる交通安全」全国キャラバン隊が22日、庄内入りし、鶴岡市や三川町などで各市町長に交通安全メッセージを贈った。
キャラバン隊は全国交通安全母の会連合会(本部・東京都文京区)が主催して毎年この時期、全国で実施している。各県の交通安全母の会メンバーによるキャンペーンを展開し、地域の交通安全思想の高揚を図ることを目的とする。
県内では、県交通安全母の会連合会(阿部百合子会長)の会員など5人でキャラバン隊を組み、前日の21日午後に県庁を出発。隊が庄内入りするのは約5年ぶりという。
この日の午前11時、キャラバン隊が鶴岡市役所に到着。鶴岡地域交通安全母の会のメンバー24人が阿部会長たちを出迎えた。はじめに、「交通弱者に対する思いやりの心」などを呼びかける内閣府特命担当大臣・交通対策本部長の猪口邦子氏からの交通安全メッセージが、阿部会長から芳賀肇助役へ手渡された。
また、阿部会長が「事故のない安全安心な社会は一朝一夕にはできない。私たち一人一人が心をひとつにし、交通安全を家庭の合言葉にして活動に取り組んでいきたい」とあいさつ。鶴岡地域交通安全母の会の山下美恵子会長が「安全な町づくりを目指して会員一同頑張っていきたい」と決意表明した。
キャラバン隊はこの日、各地で交通安全を呼びかけながら三川町や庄内町を回り、23日は酒田市と遊佐町を訪れる。同日午後には秋田県にキャラバン隊の引き継ぎを行う。
阿部会長(右)が、芳賀助役に交通安全メッセージを贈った
2006年(平成18年) 8月23日(水)付紙面より
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酒田市が昨年7月に個人から寄贈を受けた国登録有形文化財「旧山王くらぶ」(同市日吉町二丁目)の利活用に関する意見交換会が21日、同所で開かれ、住民たちが市の原案に基づいて整備や利用の在り方を話し合った。市の原案では高齢者パワーを生かし、「食」を中心に酒田の文化を発信する拠点として、家庭に伝わる郷土料理の提供や市の歴史に関する資料展示などを行い、中心部の観光振興に生かす計画。今月末にも改修工事に入り、来年度の早い段階でのオープンを目指す。
この日、市側が示した利活用計画の原案によると、旧山王くらぶは、▽登録文化財という性格から、元料亭という特色を生かし、なるべく原型を変えない▽維持管理費を賄える程度の収益事業を行う―の2つを大きな柱にして利活用する。利用する主なターゲットは中高年の女性を想定。
用途としては、1階は飲食店、調理場、事務室、土蔵や茶室を利用したギャラリーなど、2階は市民の展示や発表、体験などの場とする。全体として明治の料亭文化や建築様式を見せる。
飲食店では、四季折々の郷土料理や笹巻きなどの甘味、喫茶などを提供する。方言を貴重な文化ととらえ、客の応対で使う。展示スペースでは、同所をよく利用したという美人画の竹久夢二や酒田の歴史に関する資料の展示など。2階では笹巻きやかたもち、傘福づくりなどの体験などが考えられている。
運営は、飲食を除き酒田観光物産協会への委託を想定。飲食の調理やサービス提供は、方言ができる点や応対の柔らかさなどを考慮し、高齢者パワーを生かしたい考え。
こうした構想に基づく整備の方針では、1階は晩年に整備された車庫や調理室など一部を解体し、西側の飲食スペースを板張りに、調理室をクロス張りにし、2階を含め他の畳の部屋は畳の張り替えなどを行う。
この日の意見交換会は住民の意見を利活用の参考にしようと市が開いた。酒田商工会議所や県建築士会酒田支部、酒田観光物産協会、酒田青年会議所の関係者ら住民8人、市の石堂栄一商工観光部長らが出席した。
住民からは「女性がターゲットなら、トイレの位置や大きさに配慮を」「障害者にも利用しやすいようにエレベーターの設置を」「駐車場の確保を」「農家レストランとは一味違う、酒田の粋な文化を見せる場に」などの意見が出た。
市ではこの日の意見を参考に利活用計画を練り、9月中にも再度、同じメンバーから意見を聞いて詰める。整備は、今月中には解体部分に着手。その後、利活用計画が固まるのに併せて本格化させ、年度内にも終えたい考え。
旧山王くらぶの利活用について意見を交わした