文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2006年(平成18年) 9月13日(水)付紙面より

ツイート

本物の舞台体験 「カルメン」ジプシー役や歌、演奏に/庄内農業高校

 鶴岡市藤島の庄内農業高校(成田勇校長、生徒316人)で11日、文化庁主催の「本物の舞台芸術体験事業」としてオペラ『カルメン』の公演が行われ、生徒有志が劇や合唱、演奏に参加した。

 同事業は、小学生から高校生までが芸術文化団体の実演指導やワークショップ、舞台での共演などに参加して本物の舞台芸術に触れる機会を提供するとともに、優れた舞台芸術の鑑賞を通して芸術を楽しむ心をはぐくみ、豊かな情操を養ってもらおうというもの。

 全国各地の小中高校が各県教育委員会などを通じて文化庁へオペラや文楽、オーケストラなど公演の依頼を行い、公演スペースなどの審査を経て開催校が選ばれる。今年度、県内では庄内農高と村山市立楯岡中学校の2校で「オペラアーツ振興財団」がオペラを公演することが決まった。

 庄内農高では7月24日にワークショップが開かれ、同校の映画演劇部や合唱部、吹奏楽部など2、3年生の有志11人がオペラの一幕に出演することとなり、同財団の演劇指導を受けながら練習を重ねてきた。

 この日は同財団が全国5県で行う12公演の初回となった。全校生徒が体育館に集まり、ロマン派・フランス歌劇の代表作として世界的に人気の高い『カルメン』の日本語公演を鑑賞した。『カルメン』はスペインを舞台に、ジプシー女カルメンと町の衛兵ドン・ホセの愛憎を描いた歌劇。

 同校生徒たちは第二幕冒頭の酒場のシーンに登場した。闘牛士エスカミーリョとともに歌い踊るジプシーなどの役で、華やかな舞台を演出した。ジプシー役で出演した3年の田澤雪華さんと岡部知美さんは「思ったよりうまくできた。発声や楽譜を読むのに苦労したけれど、とてもいい思い出になった」とうれしそうに話していた。

 客席で鑑賞する生徒たちは歌が終わるたびに大きな拍手を送り、時折「ブラボー!」と声を上げて歌劇を楽しんでいた。
          

庄内農高の生徒たちが歌劇に参加し、華やかな舞台で歌い踊った
庄内農高の生徒たちが歌劇に参加し、華やかな舞台で歌い踊った


2006年(平成18年) 9月13日(水)付紙面より

ツイート

禅僧の略伝記一冊に 庄内ゆかりの96人顕彰

 酒田市安田の満願寺住職、大場秀弘さん(59)が、鎌倉時代から現代まで庄内地方ゆかりの禅僧約100人の略伝記をまとめた「荘内洞上諸祖伝(しょうないどうじょうしょしでん)おもしろ僧略伝記」を発刊した。鎌倉時代に東北初の禅寺を現・鶴岡市羽黒町に開いた高麗国出身の了然法明(生年不詳、1308年ごろ没)、「日本の知識階級の心の糧」とされる道元の思想書「正法眼蔵」の代表的な注釈書「正法眼蔵那一宝」をまとめた鶴岡生まれの学僧、父幼老卵(1726―1805)など、大きな業績を残しながらあまり知られていない禅僧たちに光を当てている。

 大場さんは30年近く前から、庄内地方の寺院の歴史に興味をもち、郷土の歴史資料を当たるなどして調査。1981年1月には庄内の曹洞宗の寺院約300カ所の開基や歴代住職などをまとめた「歴代和尚伝燈史録」、89年12月には「酒田・飽海地方の禅宗史―曹洞宗を中心にして」(酒田市史別巻)などを著している。

 今回の著書は、そうした調査研究の中で知った庄内ゆかりの禅僧たちの業績を、広く顕彰しようと執筆していたもの。94年にいったん私家版としてまとめ、さらに加筆、訂正を加えて今回、自費出版にこぎつけた。

 取り上げた禅僧は96人。高麗国生まれで、道元とも接触があり、東北初の禅寺として現鶴岡市羽黒町の玉川寺を開いた法明、破鏡庵で学び、道元を慕って「正法眼蔵那一宝」22巻の大著を世に出した老卵のほか、庄内生まれで越後の雲洞庵で戦国武将、直江兼続に学問を教えた北高全祝(1507―1586)、鶴岡の新士町(現大東町付近)に禅学の学問所「破鏡庵」を建て、庄内浜の植林の指導など奉仕活動を繰り広げた無畫鉄文(生年不詳、1771年没)など。

 大場さんは「資料を集める中で、庄内には素晴らしい人材がたくさんいることに気付き、何とか周囲に知ってもらいたいと思っていた。近年は経済的な損得ばかりを見て、肝心の人間を見ていないのではと思うようなことが多い。また、人が人に学ぶことが少なくなった。歴史をさかのぼって人に出会い、人に学ぶきっかけになれば」と話している。

 A5判、650ページ。300部を印刷。1冊1万5000円で頒布している。問い合わせは満願寺=電0234(27)3109=へ。

自著を手にする大場さん
自著を手にする大場さん



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

 
■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

Loading news. please wait...

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field