2006年(平成18年) 9月16日(土)付紙面より
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鶴岡市西荒屋の産直あぐり(安野恒治店長)が導入した、野菜や果物などの販売個数を生産者の携帯電話へメールで配信するシステムが順調に稼働している。販売物が売れ切れになる前に生産者が商品を店舗に追加搬入できるため、「消費者がいつ来店しても目当てのものを購入できる」サービスが確立、同店の売り上げ向上につながっている。
この配信システムは今年4月に導入、レジを通った商品が自動的に集計され、生産者にメールで販売個数などが伝わる仕組みになっている。配信は生産者の任意で「1時間ごと」「午前1回、午後2回」などと時間も指定でき、畑にいながら商品の売れ行きを把握することが可能。これにより、採れたての野菜や果物を供給できるほか、売れ残りの減少にも役立っている。
「産直あぐり運営管理組合」の組合員は現在86人。中には80代の高齢者もいる。システムの導入当初、組合側が懸念したのは「高齢の生産者が携帯電話の機能を使いこなせるか」だった。組合では携帯電話の使用法などについて説明会を繰り返し開くなどして対応。生産者も家族に教わるなどし、現在は約8割の組合員が配信システムを有効に利用しているという。
配信システムは次第に効果を上げ始め、特に6月下旬のサクランボ販売時期には店内で品切れになることが少なかった。安野店長は「以前は、生産者が朝方に摘みたてのサクランボを搬入した後、午前中で売り切れても夕方まで商品の追加がなく、買い物客が手ぶらで帰ることもあった。しかし今年はメール配信を受けて昼前に商品を追加するなど、効率的な搬入ができた」と話す。
システム導入後、あぐりの売り上げは毎月、前年と比較して5―10%ほどの伸びを示しており、8月には117%まで増加した。安野店長は「効率的な搬入は、お客さまへのサービスにつながる。せっかく来店してくれたのに品切れということがないように、今後は全生産者が配信を受けてもらえるように呼びかけていきたい」としている。
新鮮な果物や野菜が供給されている「産直あぐり」
2006年(平成18年) 9月16日(土)付紙面より
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日本海沿岸東北自動車道(日沿道)の「三瀬トンネル(仮称)」の貫通式が15日、鶴岡市三瀬のトンネル内で行われ、関係者が無事貫通を祝った。
三瀬トンネルは、日沿道温海―鶴岡間26・9キロの区間に建設が計画されている5本のトンネルのうち一番北側に位置する。全長は544メートル。
工事は2005年7月に着工。トンネル掘削は温海側を起点として今年1月から始まり、月平均68メートルを掘り進んで約9カ月かけて貫通にこぎつけた。工事費は約10億8000万円。
貫通式には国土交通省酒田河川国道事務所や鶴岡市、県、工事関係者約50人が出席した。同事務所の宮田忠明所長、富塚陽一鶴岡市長、高橋節県庄内総合支庁長らが貫通作業開始のスイッチボタンを押して貫通作業を開始。掘削機で最後に残った壁を打ち抜き、風穴を開けた。その後、宮田所長ら参加者が通り初めして貫通を祝った。
同トンネル本体工事は今後、覆工コンクリート工事などを行い、07年12月の竣工を見込んでいる。
日沿道温海―鶴岡間の5トンネルのうち、貫通したのは「天魄山トンネル」(1025メートル)に続いて2本目。
無事壁を打ち破り、貫通した三瀬トンネル