2006年(平成18年) 9月5日(火)付紙面より
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鶴岡市羽黒町の松ケ岡開墾場に3日から、常設アートギャラリー「くらふと松ケ岡」がオープンした。クラフト(手づくり品)作家の作品を展示販売するとともに、作家たちの指導でクラフトづくりを楽しむ体験講習なども行われる。
同開墾場の映画資料館わきにある養蚕の寄宿舎に使われていた木造建物を改装しオープン。同開墾場で今年4月に開催された庄内クラフトフェアに参加した庄内地方を中心に秋田県や東京都在住のクラフト作家12人で運営する。
古い梁(はり)などがむき出しになった木造建物のレトロな雰囲気の会場に、和物や木工品、陶芸品、革製品、庄内さしこ、アートクレーシルバー、押し花、籐などのクラフト品が展示されている。また、会場では日替わりで常駐する作家たちの作品づくりを見学することもできる。
体験講習は、同開墾場にちなんだ<繭(まゆ)玉クラフトと、革ひも編みが常時体験できる。また、各作家のクラフトの講習も日替わりで行われる。
代表の石堂佳美さん=鶴岡市、カーラント花工房=は「開墾場の古い建物が手づくり品を展示するのにぴったりな雰囲気。庄内弁の『こうでらいね』をキーワードに、どこかほっとできる癒やしの空間を演出していきたい。さまざまな講習を企画していくので、ゆったりとした空間の中でクラフトづくりを楽しんでもらえたら」と話した。
時間は午前10時から午後5時まで。毎週月、火曜日が定休日。体験講習の料金は1人800円から。体験講習のメニューなど問い合わせは「くらふと松ケ岡」=電0235(62)2888=へ。
松ケ岡開墾場にオープンした体験工房「くらふと松ケ岡」
2006年(平成18年) 9月5日(火)付紙面より
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日本ヒマラヤン・アドベンチャー・トラスト(HAT―J)主催の第4回全国集会・全アジア一斉清掃登山プログラムが2、3の両日、鶴岡市の東北公益文科大大学院や出羽三山地域で開かれ、全国から訪れた登山愛好者が講演会や清掃登山を通じて庄内の自然、文化に触れた。
HAT―Jは、人類初のエベレスト登頂者・ヒラリー卿の「登山者の手で山を守れ」という言葉に呼応して日本の登山者で組織する山岳環境保護・保全を提唱する山岳団体。世界的な登山家として知られる田部井淳子さんが代表を務める。
今回の全国集会は、県などが世界遺産(文化・自然)登録に向けて進めている出羽三山地域について理解を深めてもらおうと県内で初めて開催された。合わせてアジア各国が9月3日に一斉に実施する一斉清掃登山に出羽三山の主峰・月山が選ばれた。全国から会員約100人が参加した。
初日の2日は、東北公益文科大大学院で開会行事に続き、東北公益文科大教授で日本山岳会会員の高橋英彦さんが「庄内に想う 絵心 旅心」をテーマに講演した。
高橋さんは、趣味で描いている庄内や世界の山岳風景画を紹介しながら「人工物と自然のもの両方に素晴らしい景観があり、山岳風景も素晴らしいが新宿副都心の夕景も感動する。心をワクワクさせることが大切」と語り、庄内の景観について「鳥海山や月山、水田、海と日本の風景の要があり、ワクワクさせてくれる」と語った。
3日は月山8合目の弥陀ケ原から山頂―湯殿山仙人沢までの登山を楽しみながら清掃活動を実施した。HAT―J山形の佐藤淳志支部長は「月山はごみが少なく清掃というより、出羽三山の自然、文化に理解を深めてもらいたい」と話した。
全国の登山愛好者が集まったHAT―J全国集会